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  • 公開日:2016.07.11
  • 最終更新日: 2025.03.21
ソフトバンク、発達・精神障がい者を短時間雇用
    • 池田 真隆

    障がい者で「働きたくても働けていない層」は約4割に及ぶ。

    ソフトバンクはこのほど、長時間働くことができない発達・精神障がい者向けに新たな雇用制度を取り入れた。これまで、週に20時間以上働くことができない障がい者は法定雇用の算定にならないため、雇いづらい傾向にあった。今後は、週に4時間だけでも働ける障がい者を「ショートタイムスタッフ」として雇い、社員の業務を切り出す。他企業へもこのスキームを展開していく考え。

    同社では、この「ショートタイムワーク制度」をマニュアル化して他企業へ広め、制度化することを目指している。2016年7月1日時点で、この制度で自閉症、ADHD、双極性障害などを持つ12人の障がい者をアルバイトとして雇っている。今年度中に20人まで雇う予定だ。

    ショートタイムスタッフは、正社員が抱える仕事から、郵送物の発送、データ入力、アンケート集計などの業務を行う。週に1日、11時から16時まで働いている。

    同社は東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野と連携して、このショートタイムスタッフの制度化を行う。

    同社は2009年から、ICTで障がい児の学習・生活支援を行っていた。同社の木村幸絵・CSR企画部CSR企画1課長は、「障がい児への支援を続けてきたが、彼/彼女らが大人になったときに働き先が少ないことに課題を感じて、この取り組みを始めた」と言う。

    厚生労働省の調査では、障がい者は744万人とされ、そのうち、「働きたくても働けていない層」は332万人に及ぶ。木村課長は、「この取り組みを制度化して、週20時間未満の就労でも、法定雇用に算定できるように変えていきたい」と話す。

    written by

    池田 真隆(いけだ・まさたか)

    株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナS編集長

    1989年東京都生まれ。立教大学文学部文芸思想学科卒業。大学3年から「オルタナS」に特派員・インターンとして参画する。その後、編集長に就任し現在に至る。オルタナSの編集及び執筆、管理全般を担当。企業やNPOなどとの共同企画などを担当している。 「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。

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