![]() カンボジアのコットン畑には、内戦で地雷が埋められ荒らされた土地がある
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セシールは7月、カンボジアで活動を行うNGOに売上の一部が寄付される新商品の発売を開始した。寄付先は、2007年からカンボジアのバッタンバン州で地雷原を綿畑に再生させる活動を行うNPO法人NatureSaves Cambodia-Japan(NSCJ)だ。カンボジア製メンズコットンパンツ8種類から一本購入ごとに、10円を寄付する仕組みだ。
コットンパンツはセシールのメンズ商品のなかでも売上実績のある人気商品。セシールはこれまでも商品を購入することで寄付をする仕組みはあったが、商品の生産国を直接支援する試みは初となる。
カンボジアにはコットン畑だったが、内戦で数多くの地雷が埋められ荒らされた土地がある。寄付先のNSCJは地雷を除去した土地をコットン畑に再生させる取り組みなどを行っている。地雷原のネガティブなイメージを、オーガニックのコットン畑に変えることで、ポジティブなイメージに転換することも狙いだ。
セシールの中山ゆみ広報担当は、「現在のコットンパンツは、縫製はカンボジアだがコットンは別の場所で生産している。今回のプロジェクトでカンボジアのコットン畑再生を支援することで、将来的にカンボジアで作ったコットンの商品を作ることが目標だ」と話した。
寄付の対象となる商品は、ストレッチジーンズやストレッチイージーパンツなど全8アイテム。一本購入するごとに10円がNSCJに寄付される。7月1日から販売を始め、カタログでは1月31日まで購入可能だ。
「今後はカンボジアだけでなく、ミャンマーや中国などでも同様の取り組みを行っていきたい。ファッションを楽しむことが生産国の支援になるような仕組みづくりを今後も続けていきたい」と中山さんは話した。
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。