• 公開日:2016.03.24
路上から自立へ、フィリピンの子どもたちがカフェ起業
    • 辻 陽一郎

    フィリピンで路上生活をする子どもたちが3月15日、首都マニラでカフェをオープンした。同国では25万人以上の子どもたちが路上生活を余儀なくされており、定職をつけることで貧困からの脱却を目指す。開店を支援したのは名古屋市の認定NPO法人アイキャンで、2011年から子どもたちに職業訓練の取り組みを続けてきた。

    「Kalye Café(カリエカフェ)」という店名で、マニラ都心のディリマン地区にオープンした。パンの製造や経営、会計などすべて路上生活をしている子どもたちが行う。子どもたちが自らの課題を、自分たちで解決していけるようにと、アイキャンは、2011年に子どもたちの協同組合を設立しトレーニングを続けてきた。組合には路上で暮らす子供たちが80人ほど登録している。

    アイキャン海外事業部の中村由実子さんは、「路上でその日暮らしをしてきた子どもたちにとって、将来のために訓練するということは難しかった。時間はかかったが、確実に成長していった」と話す。

    現在19歳になったメンバーの1人は、「路上にいた時、大人から『君は、路上生活者だ。その生活はこれからも変わらない』と言われた。でも、僕は、この活動を通して変わることができた」とアイキャンのスタッフに話した。

    フィリピンは経済発展が進み、高層ビルやショッピングモールが立ち並ぶ一方、富裕層と貧困層の格差が広がっている。マニラで路上生活をする子どもたちの多くが物乞いや売春をして、1日50~100ペソ(約100~200円)ほどを得て生活をする過酷な状況だ。

    アイキャンは、こうした子どもたちに対して、日々の生活を支援するのではなく、生活自体を改善することを目的に活動してきた。カリエカフェがオープンしたことで、将来的には、フィリピンの最低賃金である500ペソを稼ぐことを目標としている。

    中村さんは、「路上で虐げられてきた子供たちは自信を持つことが難しい。しかし、トレーニングを通じて一つずつできることが増え、自信につながっていく」と話した。

    written by

    辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

    オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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