サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan のサイトです。ページの先頭です。

サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan のサイト

ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Brands, PBC)
Sponsored Contents

三井化学が「改プラ」の発想で取り組む、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現

  • Twitter
  • Facebook
コミュニティ・ニュース

Sponsored by 三井化学

温室効果ガス(GHG)排出による気候変動やプラスチックによるごみ問題などを背景に、脱炭素・脱プラスチックが叫ばれている。だがプラスチックは、消費者にとって使いやすく日常生活にあって当たり前の物となっており、またあらゆる産業に関わり需要があるため、完全に無くすことは不可能だ。そこで三井化学は、「脱プラ」ではなく「改プラ」へ発想を転換し、同社のパーパス(存在意義)である「社会課題の解決」を果たすため、プラスチックの原料転換と資源循環の実現を目指す、「BePLAYER®︎」と「RePLAYER®︎」に取り組んでいる。

三井化学は、2020年11月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言。2021年6月に策定した新長期経営計画「VISION 2030」では、化学の力で社会課題を解決していく姿勢を明確にし、「未来が変わる。化学が変える。」のスローガンを掲げた。こうした同社の方向性を実現する取り組みとして、2022年に立ち上げたのが「BePLAYER®︎」と「RePLAYER®︎」の2つのブランドだ。

同社 グリーンケミカル事業推進室 ビジネス・ディベロップメントグループの松永有理氏は、以前所属していたESG推進室で業務を推進していた時から、バイオマスやリサイクル技術に関しては製品単体ではなく横断的なブランディングやマーケティングをしていく必要性を強く感じていたという。

「一つの製品やプロダクトだけでなく、あらゆる素材をバイオマス化あるいはリサイクル素材に変えていくというアプローチなので、製品・部署を横断するイングリーディエントブランド(成分ブランド)を作る必要性があった。対外的にも、統一感のあるコミュニケーションが重要と考えた」と話す。

「BePLAYER®︎」でカーボンニュートラル、「Re PLAYER」でサーキュラーエコノミーを実現

「BePLAYER®︎」は、地球温暖化問題の解決のために社会のバイオマス化を進める取り組みだ。プラスチック素材の原料を化石資源からバイオマスへと原料転換を図る。具体的には、プラスチックはそのほとんどが石油由来の「ナフサ」と呼ばれる炭化水素を原料としているが、これを使用済みの食用油などから作られる「バイオマスナフサ」というバイオマス由来の炭化水素に変えることでGHG排出量削減に貢献することができる。同社は日本で初めて、バイオマスナフサを使用したバイオマスプラスチックの製造を開始。だが、通常のプラスチックよりも値段が高くなるため、プラスチック素材の主流になるには、社会全体の理解が必要だという課題が残る。

「RePLAYER®︎」は、廃プラスチック等の廃棄物を資源として活用することでサーキュラーエコノミーの実現を目指している。それには、製品を使用した後のリユースやリサイクルを想定した製品設計をすることや、素材を循環させるシステムを形成することが重要だ。現在、いくつかの企業とリサイクルを軸にしたプロジェクトが進んでいるという。

この2つのブランド名には共通して「PLAYER(行動する人)」が入っている。そこには、社会の変化を起こすのは「人」であり、あらゆる立場の人々それぞれが「PLAYER」となって、一緒に変化を楽しみながらみんなで未来を作っていこう、という思いが込められている。

「ナフサクラッカー」から「バイオ&サーキュラークラッカー」へ

実は、松永氏が所属するグリーンケミカル事業推進室はもともと、2022年4月に発足したベーシック&グリーンマテリアルズ事業本部に属していた。同本部は、石油由来原料からさまざまな化学品やプラスチックを製造・販売する根幹部門である。そしてさらに2023年に、グリーンケミカル事業推進室は、独立した本社部レベルの組織に改編された。同推進室は、これまで進めてきたバイオマス化やカーボンニュートラルに貢献する技術開発や、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルを本格的に事業化する専門部署となった。こうしたことでも、同社のカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーへの取り組みの本気度が分かる。

松永氏は、「環境問題は基本的に外部不経済。自然資本が損失を受けていることを自分たちに内部化するとコストアップになるので、なかなか難しい。だが、今の地球の状態のまま次の世代に渡すのではなく、日々の生活の意識を少し変えるだけで知らないうちに地球環境が良くなっていくような、そういう状態になるのが理想」と考え、取り組んでいるという。

そこでキーワードとなるのが「リジェネラティブ」だ。「今のままでは、沈みかけた船をそのまま次世代に渡すことになる。そうではなく、沈みかけた船をきちんと修理して海上に押し上げるような、そういうアプローチが必要。だからサステナブルではなく、リジェネラティブという言葉を使っている」と説明する。

また、生活者へのデプスインタビューを行った際、「脱プラと言われるようになって、プラ製品以外でも買い物すること自体に対して罪悪感がある」という意見が出てきたという。「買い物は楽しいコトなのに、それではもったいない」と松永氏。「いかにその罪悪感を取り除き、生活者のリジェネラティブなライフスタイルの実現に貢献するか。社会の基盤を担っている素材メーカーだからこそできることであり、これこそが、我々の目指していること」だと力を込める。

※対象者とインタビュアーによる1対1の面談式で実施する定性調査

だが社会システムの構築には、まず生活者一人一人の理解や、思いを同じくするステークホルダーの存在が必要であり、1社で成し遂げるのは難しい。「当社の技術をお客さまが形にして初めて価値が生まれる。お客さまと一緒に、その価値をどう世の中に伝えていくかを議論していくことで、取り組みは広がる」と松永氏は期待を込めて話した。

文・構成 松島香織(サステナブル・ブランド ジャパン) 撮影 原 啓之

三井化学は、3月22日に「もういちど想像してみよう。リジェネラティブな未来を。」をテーマにフォーラムを開催しました。今回、橋本社長と対談された斎藤幸平氏も基調講演に登壇。そのほか、さまざまなステークホルダーが参加し、リジェネラティブな未来について語り合いました。下記URLからアーカイブ視聴のための新規ご登録も可能です(無料)。
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/special/mci_forum2024/?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=sbj_taidan