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ESG市場の発展や拡大をけん引、JRTTが交通事業でサステナブルな未来社会を切り開く

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コミュニティ・ニュース

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北陸新幹線(提供:JRTT鉄道・運輸機構)

能登半島地震の復興支援としても期待され、3月16日に開業を迎えた北陸新幹線の金沢・敦賀間。その建設を担ったのが、独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)だ。JRTTは、整備新幹線や都市鉄道などの鉄道施設の建設や、船舶共有建造等を業務としている政府全額出資の独立行政法人だが、ESG債券による資金調達を積極的に行っている。2017年に環境への取り組みに特化したグリーンボンドを国内で初めて発行し、その後も環境および社会課題解決に特化したサステナビリティボンドを継続して発行するなど、日本のESG市場をけん引するフロントランナーとして注目を集めている。

JRTTは、2003(平成15)年に日本鉄道建設公団と運輸施設整備事業団が統合して発足し、昨年10月に20周年を迎えた。『明日を担う交通ネットワークづくりに貢献します。』を基本理念に掲げ、交通インフラ事業を実施しつつ、環境に配慮した取り組みにも力を入れている。

例えば、北陸新幹線の金沢・敦賀間の整備では、敦賀市のほぼ中央に位置する中池見(なかいけみ)湿地がラムサール条約に登録されたことから、当初計画していたルートを湿地への影響が少ないルートに変更した。

整備ルートの再選定前と後(提供:JRTT鉄道・運輸機構)

湿地から離れる方向へ約150m、標高を約20m高くするルートに再選定を行い、湿地の生態系に影響がないよう配慮し、加えて中池見湿地の環境に及ぼす影響の回避措置などを、環境管理計画にまとめて策定した。こうした取り組みを、環境NGOからも、今後の他のラムサール条約登録湿地で工事する際のお手本になると評価されている。

2月22日に開催された「サステナブル・ブランド国際会議2024 東京・丸の内」のランチセッションに登壇したJRTTの米田純一理事は、「工事のルートの変更は、当然建設コストや工期に影響が出る。私どもとしては迅速な情報開示と、国や他の関係事業者、鉄道敷設地域とのコミュニケーションを通じて、アカウンタビリティ(説明責任)を担保しながら進めてきた」と当時を振り返った。

米田理事

同セッションに登壇した、環境省のESG金融分野の審査委員などを務めるニューラルの夫馬賢治CEOは、「JRTTの債券発行の歴史は、日本のESG市場の歴史そのもの。日本がまだESG市場ができてない黎明(れいめい)期から、この市場をけん引してきた」と話した。

JRTTの事業にはそもそも鉄道インフラという社会貢献性があり、事業の実施には環境負荷の低減が求められる。2017年に発行したグリーンボンドは、神奈川の相鉄・東急直通線に相鉄・JR直通線を合わせた「神奈川東部方面線」を対象とした資金調達を目的とし、環境省のグリーンボンド発行モデル創出事業の第1号になった。これまで新幹線に乗るには乗り換えが必要だったが、この路線は新横浜駅を経由しているため一本で行けるようになり、ネットワークとして鉄道を整備することにより利便性が格段に上がった。

こうした「神奈川東部方面線」の整備により、バスや自動車の利用者が鉄道を利用することで、年間約1500トンのCO2が削減されるという。これは東京ドーム約36個分の面積に杉の木を植樹した場合のCO2吸収量に相当する。

グリーンボンドを発行した理由を米田理事は、「鉄道建設事業という社会的意義を、幅広く周知して投資家の裾野を広げること」「独立行政法人として初となるグリーンボンドを発行することで、社会課題の解決を積極的に進めているとアピールすること」「国内グリーンボンド市場の活性化や他の債券発行体の参入促進に貢献すること」の3つを挙げた。

厳しい基準をクリアし透明性示す

グリーンボンド発行の後、多くの投資家から継続発行を望む声があり、JRTTは最適な債券発行のあり方を検討していく。まず、継続的な資金調達をするという方針を打ち出した「サステナビリティ・ファイナンス・フレームワーク」を2019年に策定。また、厳格な国際基準を設ける英国のClimate Bonds Initiative(CBI)のプログラム認証をアジアで初めて取得し、国際的な第三者評価機関であるDNV(ノルウェー・オスロ)の検証を受け、同年5月から、グリーン(環境)とソーシャル(社会)両方の特徴を併せ持つサステナビリティポンドの発行を開始した。

※一度の認証で継続的な調達が可能となる認証取得の方法(JRTTのプログラム認証は世界で15例目)

「現在、ESG市場には『うちが初』と言いたいがためのESGウォッシュが散見される。JRTTがこういった厳しい基準をクリアしているという作法を示していなければ、日本のESG市場はもっと大変なことになっていたと思う」と夫馬氏は言う。

夫馬氏

米田理事は「初めてサステナビリティポンドを発行するときに、できるだけ厳しい外部評価を経てからと考えた。鉄道の建設事業には多額の資金が必要で、継続的に資金調達をしなくてはいけない。安心して投資家の皆さまに債券を購入いただくというのは非常に大事であり、今後も質の高い債券を発行していくというコミットメントにもなる」と応じた。検証結果はJRTTのホームページにも掲載している。

こうしたJRTTの姿勢は、市場でも評価されており、2022年の2月には日本全国47都道府県全ての地域の投資家が投資表明している。投資者数は、2019年は44件だったが、2024年2月では364件となり、8.3倍の伸びとなった。「鉄道建設というのは生活に密接に関わっているので、分かりやすく購入しやすいのでは。またESG債としての信頼性や透明性の高さをCBI認証が担保しており、安心感があるはず」と米田理事。

また、米田理事は昨今の災害甚大化について触れ、2023年4月に創設した「鉄道災害調査隊」を紹介した。鉄道災害調査隊は、自然災害等によって鉄道施設への被害が生じた鉄道事業者が、国土交通省に申請し、国からの派遣要請を受けて現場に赴き、「被災状況の全体把握」「個別施設ごとの被害状況調査」「本格復旧に向けた技術的助言等の支援」などを行う。

鉄道技術に関する深い知見と経験を持つJRTTならではの役割で、鉄道災害調査隊の創設以前から、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県の三陸鉄道や宮城県の仙台空港線、熊本地震では南阿蘇鉄道の災害復旧支援に努めてきた。

2024年4月に営業開始予定の「HANARIA」(提供:JRTT鉄道・運輸機構)

また事業のもう一つの柱である船舶建造では、今年4月に福岡県で営業開始予定の「HANARIA」について説明。HANARIAは、水素燃料電池、リチウムイオンバッテリー、バイオディーゼル燃料から選択して航行する日本初のハイブリッド船で、旧来の化石燃料と比較して、GHG排出量を5~10割を削減することが可能だという。

米田理事は「『明日を担う交通ネットワークづくりに貢献します。』という基本理念を基に、鉄道船舶の整備を通じて、環境・社会・経済という3つの側面のバランスを取りながら、SDGsに貢献することを進めている。当機構は、持続可能でレジリエントな社会の実現、そしてESG市場の発展や拡大に貢献していく」と力強く語った。


文・構成:松島香織 サステナブル・ブランド ジャパン

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※本記事内で紹介している債券は、読者の皆さまに対し、何らかの商品または取引を強く勧誘・推奨等をするものではありません。したがって、本記事の内容については、ご自身の判断のもとにご活用下さいますようお願いいたします。