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高校生が見た「サステナブル・ブランド国際会議」

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サステナブル・ブランド ジャパン編集局
左から板鞍さん(3年生)、飯村さん(2年生)、宮下さん(3年生)、小島さん(1年生) 学年は2019年3月当時

3月6-7日に開催した「サステナブル・ブランド国際会議2019 東京(以下、SB Tokyo)」には、36人の高校生が参加した。学内の抽選に当選して参加した生徒もいれば、友達を集めて自費で参加した生徒もいた。次の時代を担う高校生の目に、国内外の企業の取り組みはどう映ったのか――。首都圏の学校に通う4人の高校生に話を聞いた。

――春休み中にも関わらずお集まりいただき、ありがとうございます。今年のSB Tokyoは高校生と大学生の参加者がこれまでで一番多く、みなさんが熱心にセッションに耳を傾け、質問をする姿にも、さまざまな反響がありました。

SB Tokyoに参加しようと思った理由・きっかけを教えてもらえますか?

小島空さん(埼玉城北高等学校1年):学内の募集に申し込みました。サステナビリティについては、学校の玄関にSDGs(持続可能な開発目標)の目標が貼り出されていますし、先生からも話があったので関心を持っていました。

会場に着いて、規模の大きさに驚きました。高校生の自分たちがいて良いのだろうかと戸惑いました。

飯村心音さん(玉川学園高等部2年):私は、先生からSB Tokyoの存在を教えてもらいました。昨年の情報を調べ、高校生の間にこういう経験はなかなかできないと思い応募しました。

高校生だけが参加する国際会議には出席したことがありましたが、SB Tokyoでは多くの大企業の方たちの話を聞けて凄いと思いました。

宮下清美さん(創価高校3年):学校で、多くの企業の方が参加する会議だと聞き、絶対に行きたいと思いました。サステナビリティについては元々興味がありましたし、学校でもSDGsの勉強をしているので関心を持っていました。

SB Tokyoに参加することで、今後の自分の進路や将来何をしたいのかを考えるきっかけにしたいと考えました。

参加できて良かったです。学校の授業でCSRに取り組んでいる企業があるというのは知っていましたが、身近な企業が具体的に何をしているのか、どういう熱意を持って取り組んでいるのかは知りませんでした。直接お話を聞けて、かっこいい大人たちだなと思いました。

板鞍 龍さん(創価高校3年):僕は将来やりたいことが何も見つかっていないので、こういう場でそれを見つけられたらいいなと思って参加しました。参加して、一日目から感動しました。4月から大学生になるので、できれば去年、進路を決める前に参加したかったなと悔しくなりました。

僕たちは最初、学内の募集に応募しようとしていました。でも、それだと1日しか参加できなくて――。会議について調べ、どうしても2日間参加したいと思い、友達5人をかき集めてグループ割引で参加しました。

――そんな風に興味を持っていただき、ありがとうございます。多様なセッションがありましたが、記憶に残ったセッションは何でしたか?

板鞍:一番面白かったのは「サーキュラーエコノミーへの挑戦(1)新たな価値創造戦略と実践」です。

ケミカルリサイクルについて話を聞き、廃プラスチック問題がなくなるのではないかと期待を持てました。しかし新しいものをつくるよりコストがかかるそうで、「サステナブルは無料ではない。コストの話をしてしまうと前に進まない」と登壇者がおっしゃっていて、それでも取り組む企業ってすごいなと感じました。

宮下:私も同じく、「サーキュラーエコノミーへの挑戦(1)」のセッションが面白かったです。「循環型社会にするには、ものをつくるときに廃棄まで考えてつくらないといけない」とおっしゃっていたことがとても印象に残っています。廃棄まで考えられていないものがあるから埋め立てごみがあるのだな、と改めて考えました。

飯村:「先進企業経営者と語る途上国でのCSVビジネス」です。私は将来、医療系の仕事に就きたいと考えています。バングラデッシュでAIを使い医療検査情報データを解析して遠隔医療の提供を行っているmiup(東大発の医療AIベンチャー)の酒匂真理代表のお話が印象的でした。

セッションの後に酒匂さんに質問に行きました。実は、それがきっかけで明後日、東大に詳しいお話を聞きに行くことになっています。


それから、基調講演のセッションに登壇されたYouMe Nepal代表のライ シャラドさんのお話が胸に刺さりました。

小島:「日本企業は『パーパス』をどう定義すべきか」というセッションが印象的でした。

会社の規模が大きくなりグローバル企業になるとパーパスを定義して物事を進めていかないといけないという話や、グローバル企業がサステナビリティを推進するには現地に適応したものごとを現地の地方自治体などと連携して取り組まないといけないという話に共感を覚えました。

飯村さんと同じく、ライさんのお話も印象的でした。「国費留学生として勉強をさせてもらったので、自国に恩返しをしたい」という考えは人間として素晴らしいと思いました。登壇されていたセッションの後に、直接お話もできました。

――みなさん、大人の参加者と同じ視点に立ってお話を聞かれていたんですね。今回、参加する前と後でなにか変化したことはありましたか?

板鞍:一番大きく変わったのは、自分の考え方です。今まで学校で学んだこと以上に、こんなに大きな規模で当たり前のようにサステナビリティに取り組んでいるということを知り、それをもっと当たり前にしないといけないなと思いました。

将来何をしたいのかはまだ決まっていませんが、サステナビリティに取り組んでいたり、SDGsの達成に努めていたりする企業に入りたいな、という方向性が決まったと思います。

小島:SDGsの取り組みがよく分かりました。私は学校で生徒会に入っているのですが、友人たちと、児童労働の問題に取り組むNPOの方を招いて、学校全体を巻き込んで学ぶ機会をつくれたらいいなと話しています。

宮下:エシカル消費を意識するようになりました。実際には、まだ高校生なのでオーガニックコットン100%の洋服は価格が高いと感じるのが現実です。でも、オーガニックの商品かどうかや、安すぎる商品を見ると「なんでこんなに安いのだろう」と思うようになりました。

4月からは大学生になるので、何かしらの形でNPOなどに携わりたいと思っています。

――みなさんはサステナビリティにとても関心が高いと思いますが、周りの同級生も同じように興味を持っているのでしょうか?

宮下:学校ではSDGsのゴールを一つ選んで研究をするので、みんな必然的に興味を持ちます。でも違う学校の友人と話すと、「ジェンダー問題」や「廃プラスチック問題」を知らないという人もいて、認知の差はあると感じています。

小島:関心のある人もいれば、まったくない人もいますね。

飯村:私の学校では自由研究の授業が毎週あり、一つのテーマについて調べて論文を書きます。関心があってやっている人は良い論文を書きますが、やらないといけないからやっているという人もいて差があります。

今回、私が話を聞いて面白いと思った方は学校のみんなも面白いと思ってくれるかもしれません。そういう方に学校に来ていただき講演をしてもらえたらなと思っています。

――次世代を担うみなさんの感想や考えを聞かせていただき、私たちも学ばせていただきました。来年のサステナブル・ブランド国際会議は横浜で開催します。高校生や大学生向けの招待プログラムもありますので、ぜひまたご参加ください。ありがとうございました。

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