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NYでサステナブルビジネス続々:寿司や屋上菜園

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「Pokeworks」の、ブリトーにインスパイアされてできたハイブリッド寿司、ポケブリトー ©️ Kasumi Abe

米国でもサステナビリティに取り組む店や企業は年々増加しており、ニューヨークでもよく目にするようになった。「サステナブル寿司」やパッケージフリー(無包装)のショップ、屋上菜園などニューヨークで注目を集めている4事例を紹介する。(ニューヨーク=安部かすみ)

水族館の寿司ガイドが推薦する魚介類

ニューヨークではここ2~3年、ポケ店が急増中だ。ポケとは、ソースやスパイスに付け込んだ刺身を丼ぶりやロールサンドなどにしたハワイ料理のことだ。ポケ店の先駆け「 Pokeworks 」(ポケワークス)は2015年のオープン当初から、モントレー湾水族館のサステブル寿司ガイドが推薦した魚介類だけを使用している。軽食店でさえそうなのだから、ニューヨークでは、レストランやケータリングでも、サステナビリティを実践している店を探すのは難しいことではない。

パッケージフリーのリテール店

「Package Free Shop」のショーウィンドーでは、ゴミを抱えたマネキンが立っていた ©️ Kasumi Abe

リテール業界では、マンハッタンの隣、ブルックリン地区に2017年にオープンした「パッケージフリー・ショップ」( Package Free Shop)が、ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)に向けて本気で取り組む店として、人々の注目を集めている。

店内では各種エコバッグ、「脱プラスチック」に向けて再利用できるステンレススチール製ストロー、プラスチック不使用のシェーバー、シリコン素材の製氷機、竹素材の歯ブラシ、再利用できるオーガニック製生理用品など、無駄なごみをなくすことにつながるアイデア商品が並ぶ。環境コンシャスな人々が楽しそうに買い物している姿を目にする。

「Package Free Shop」の店内 ©️ Kasumi Abe

アップサイクルでおしゃれな家具作り

廃材のメタルから作ったテーブルや、木片や枝からできたイスなど。Reduで ©️ Kasumi Abe

インテリアの分野でも環境を守るための動きが活発だ。ブルックリン地区にある「 Redu 」(リデュー)は、アップサイクル(Upcycle)を実践する家具販売&製作会社だ。

アップサイクルとは、捨てられようとしている不用品や廃材を利用して、新しい価値を生み出すことを指す。アメリカでもまだ知らない人が多い概念だが、リサイクルの一歩先行くものとして、近年大都市圏を中心に、人々が注目し始めている。

職人が働く工房では、木工製作所で出た廃棄前の木片や映画製作現場で役目を終えたメタル、足の壊れたイス、買い手のない古着、カフェ輸入後に不要になったコーヒー豆の袋など、これまで捨てられてきた不用品や廃材が大切な素材として再利用され、見違えるほどおしゃれなテーブル、イス、ソファ、トートバッグなどとして息吹を与えられていた。

「他人にとっては不要なものでも、いかに価値あるものに変えるかが私たちの使命」と言うのは、2012年にReduを立ち上げたオーナーのアンバー・ラシャックさん。アップサイクルで生まれ変わった家具はウェブサイトで販売しており、一般の顧客に加えて、地元のレストランやカフェに購入されることが多いという。

教育にも力を注ぎ、地元の子どもたちを対象に、不用品がどのように生まれ変わるかを実際に見せながら教えるといった取り組みをしている。

廃棄前のコーヒー豆の袋を使って作られたトートバッグ。Reduで ©️ Kasumi Abe

屋上で栽培される地産地消の有機野菜

限られた土地の中で取り組むサステナビリティ活動として、アーバンファーム(都市型農園)も見逃せない。ビルの屋上を利用した農園「 Brooklyn Grange 」(ブルックリン・グランジ)、船に作った移動式農園「 Swale 」(スウェイル)、工場跡地を利用した農園「 North Brooklyn Farms 」(ノース・ブルックリン・ファームズ)などが代表的だ。

春から秋にかけてトマト、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、ナス、ハーブなどのオーガニック野菜を栽培し、地元の人々やレストラン、小規模グロッサリーなどに卸している。これらの農園では啓発活動に力を入れており、一般向けに見学ツアーを開催しているところもある。

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