カードゲームで「SDGs」を体感―利他の心で考える
ゲーム結果を説明する稲村代表理事。ホワイドボードの結果は経済ばかりが発達し環境・社会が荒れている状態
|
「今、私たちが學んでおかなくてはならないこと」をテーマにセミナーを開催しているVISIONARY INSTITUTEは、11月11日、「SDGs(持続可能な開発目標)」に関するセミナーを行った。SDGsとは何か、という講演の後、参加者全員がカードを使ったゲームでSDGsを体感した。
サステナブル・ブランド国際会議 東京 プロデューサーでオルタナ代表取締役 編集長の森 摂が「SDGsとは何か?なぜ企業戦略に必要なのか?」について講演。SDGsには法的拘束力はないが、食材を使いまわしし、社会的非難を浴びた後に閉店に追い込まれた料亭を例に挙げ、ソフトローであっても無視できないことを話した。
また、来年3月8、9日に東京で開催予定のサステナブル・ブランズ国際会議に言及し、サステナブルという考えは日本でマイノリティだが、世界では活発に動いており、セミナー参加者それぞれが社会改革をする人になり、考えを広めてほしいと語った。
一般社団法人イマココラボの稲村健夫 代表理事は、SDGsはステレオタイプでは発展途上国の支援だが、先進国・発展途上国に関わらず全ての国のステークホルダーに向けた地球全体の課題であると話した。世界の状況を見える化して共有し、行動につなげる。その感覚をつかむためにゲームにしたという。
ゲームは「自分がゴールする」のではなく「世界をよくするため」に動きが変わった
|
「2030SDGs」はプロジェクトやお金、時間を表すカードを組み合わせて、1チーム3人で行う。「人生のゴール」を表すカードを達成するために、カードを集めて事務局へ行き、達成したプロジェクトごとに、ホワイトボードの「世界の状況メーター」を動かしていく。状況メーターは「経済」「環境」「社会」とあり、実社会と同じくバランスが取れていないと地球は持続できない。
いち早く「人生のゴール」を達成しようと、集まった120人のビジネスパーソンが動き出したが、ホワイトボードを見て、「環境のバロメーターが低いのであれば、環境のプロジェクトカードを持っているチームを支援しよう」と動きが変わった瞬間があった。
森は「利他の意識が芽生えた」と評価し、稲村代表理事は「ゲームで出来るアクションが何故、実社会で出来ないのかを考えてほしい」と話した。