サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan のサイトです。ページの先頭です。

サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan のサイト

ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)
ミレニアル世代から見た林業 100年先の未来を考える

森林と地域の新たな価値を創造する結び目になる――井上博成・飛騨五木グループ

  • Twitter
  • Facebook
SB-J コラムニスト・井上 有加

林業における再生(リジェネレーション:regeneration)の兆しとはどのようなものだろうか。個人、組織、地域や業界、そして社会の再生について、いまさまざまなスタイルで林業に関わるミレニアル世代の横顔から描き出してみたい。第3回は、研究とビジネスの両輪から森林と地域の価値化に取り組む井上博成のビジョンを聞いた。

井上 博成(いのうえ・ひろなり)
1989年岐阜県高山市生まれ。飛騨の匠の系譜を引く工務店の家系に生まれる。現在は飛騨高山小水力発電㈱代表取締役、飛騨五木㈱ 企画研究室長、すみれ地域信託㈱ 常務取締役、飛騨高山大学設立基金 代表理事等を務める。取材当時は、事業の傍ら、京都大学大学院経済学研究科博士課程で自然エネルギーと地域ファイナンスについて研究していた。

研究者として事業家として、地域の価値を探る

井上(有):大学院生(取材当時)でありながら企業経営者、そして大学の設立も準備されている博成さんですが、現在の多岐にわたるご活動について教えてください。

井上(博):祖父からの家業である井上工務店から発展した「飛騨五木(ひだごぼく)グループ」で林業の川上から川下までの地域ビジネスに関わり、飛騨高山小水力発電をはじめとする自然エネルギー事業会社の経営、そして地元飛騨高山での大学設立準備を進めています。高山市に妻と2人の子どもと暮らしています。

井上(有):家業が工務店をされていたことも含めて、森林や地域に関わる事業を展開するようになったきっかけは何でしょうか。

井上(博):家業である井上工務店は、祖父の代に製材と大工業を始め、住宅や店舗の設計・施工を手掛けてきました。建築で使う木材加工の手伝いをしながら、地元に木材が豊富にあることを感じていましたが、ある時調べてみて、飛騨高山には我々が利用しているよりもはるかに膨大な量の森林資源があることを知ったんです。

岐阜県高山市といえば観光地として全国的に知られていますが、自治体としては日本一の面積(2177㎢)があり東京都と同程度の面積、また、森林面積(約20万ha)も日本最大です。しかし、調査当時、同じ面積を持つ東京都のGDP約93兆円に対し、高山市は3300億円あまりで、この違いは何だろうと疑問を持ったのが出発点でした。そして、ここには価値化されていない自然資本(森林)の存在があるだろうと仮説を立てたんです。これだけ森林資源があるにも関わらず、少し調べてみただけでも、飛騨の家具等では地域材がほとんど使われていない現実に、違和感を鮮明に覚えました。さらに問題意識の起点となったのは、東日本大震災をきっかけにエネルギー問題や持続可能な地域づくりに関心を持ったことで、自然エネルギーの研究に取り組む中で、地域の価値や地元である飛騨高山の可能性を感じるようになりました。

ここでもう少し数字から森林の価値について考えてみます。まず土地の資産価値として、林地を8.1円/㎡程度として単純に高山市の森林面積をかけると約162億円、立木価格を30万円/haとすると約602億円で、合計しても高山市の森林の資産価値ストックとしては764億円しかストックがないことになります。ここで、木材のサプライチェーンを川下(建築用材)まで考えると、山での立木価格500円/㎥が最終消費者価格では8万円/㎥となり、160倍の価値を生みます。あくまで全てが建築用材になった場合ではありますが、先ほどの602億円の立木価格が9兆円以上の価値になるということです。このことから、より川下にマーケットインし一本の木の価値を最大化できないかと考えるようになりました。

2035年までに木材が当たり前にある社会を目指して 「飛騨五木」の展開

井上(博):元々、家業の井上工務店とグループ会社である不動産事業は、父と叔父たちの4兄弟で経営しており、製材から建築までの流れとそれをマネジメントする資産運用業務までをトータルで行ってきました。そこに私が飛騨高山に帰るようになってから、川上の林業部を立ち上げると共に、新たにマーケットインを担う部門として「飛騨五木」というコンセプトを作りました。またほぼ同時期に、金融部門であるすみれ地域信託の立ち上げを叔父と行いました。

この飛騨五木というブランドは、飛騨地方で古くから利用されてきた5つの樹種(スギ、ヒノキ、クリ、ケヤキ、ヒメコマツ)をブランド化し木材を外商していくことを目指したもので、それを担う会社として2015年に「飛騨五木」を設立しました。

井上(有):飛騨五木のコンセプトは、「○○杉」のように1つの樹種で勝負するのではなく、木曽の「木曽五木」のようにグループで構成し、森林の多様性までも表現した飛騨地方ならではの世界観ですね。

井上(博):飛騨高山には約350種類の樹木が生育しているにも関わらず、地元でも輸入材が多く使われており、生活は石油由来の物で溢れているのが現状です。そこで飛騨五木の設立時に“2035年までに木材が当たり前にある社会を目指す”というビジョンを作り、現在は関連会社を「飛騨五木グループ」とし、主に7つの事業領域で178名が活動しています。

「飛騨五木」の5つの樹種

それぞれの事業について解説しますと、井上工務店では自社で伐採製材した木材を使用し、住宅のみならず店舗や商業施設、マンション、公共施設の建設、重要文化財の修復等を手掛けています。特に、マンションでは珍しく内装に無垢材を使った木質マンションシリーズは好評で、入居率も高くなっています。内装には、飛騨五木の5樹種いずれかの木材をデザインアクセントに使用しています。

地域商社部門の飛騨五木は、木育施設の運営とWEBメディア・EC事業が現在最も拡張性が大きい分野です。特に木育施設「森のわくわくの庭」(輪之内店、養老店)は大型商業施設の中にあり、人口1万人程度の町で、半年で5万人の来場がある人気施設になっています。子育て世代のニーズを捉えた使い勝手のよさなど工夫があり、室内が広く密になりにくいこともあり、コロナ禍でも多くの来場(事前予約制)を頂いています。岐阜のみならず47都道府県すべての地域材を活用して建設した施設には、子どもや保護者が遊びながら木に触れ、森林について学べる仕掛けもあります。

木育施設「カカミガハラパークブリッジ」

そのノウハウを展開して今年3月に岐阜県各務原市の公園「学びの森」にオープンした屋内型施設「カカミガハラパークブリッジ」は、Park-PFI制度を活用し設立され、飛騨五木グループで建築物と遊具の設計・施工および運営まで一貫して行っています。単に箱モノを作るだけでなく、サービスをデザインし続けることで“木のある社会を作る”というニーズに応えていきたいと考えています。

エネルギー部門は、私個人の研究活動から始まりました。この取り組みも自然資本、特に森林の価値最大化の取り組みに繋がっています。“自然エネルギー利用日本一”を目指す高山市との検討委員会や大学での研究助成をきっかけに、その研究成果としてビジネスモデルを社会実装したのが飛騨高山小水力発電です。その他、工務店としてのバイオマス利用による熱供給事業や、国内各地での小水力発電事業を展開しています。私自身のPBR(プロジェクトベースドリサーチ)として今も博士論文にも取り組み、さらに小水力発電による収益を後述する大学設立の一部基金にも充てています。

森林信託スキームの例

信託部門のすみれ地域信託は、東海圏では唯一の信託会社として2016年に設立しました。海外の事例にヒントを得て、信託による森林管理の手法である「森林信託」の実現を目指してさまざまなスキームを作ってきました。例えば、水力発電事業と水道事業、及び一部の森林をセットで信託化し、地域水道の改修にかかる費用を発電の利益でカバーする地域再生事業があります。森林単体ではなくそれに付帯してエネルギー利用と組み合わせた信託を組み、運用益を水道設備の改修費に充てるモデルにすることで、地域貢献型のスキームの組成となっています。

このように川上から川下までの事業を、飛騨五木グループの長期ビジョンのフェーズ1としてこれまで地元岐阜県内を中心に展開してきましたが、現在はフェーズ2として、確立したビジネスモデルを全国へ展開しはじめています。森林や木の価値を高めることは、地域の元気・価値・成長にもつながりますが、それを創造する人材を育成する「教育」の場として、次にお話しする飛騨高山での大学設立の取り組みがあります。現在、2024年の開校を目指して準備が進んでいます。

家業という礎から発展させる事業

飛騨五木グループが手掛ける住宅

井上(有):ここまで、飛騨五木グループの川上から川下に跨る取り組みについて解説していただきましたが、その背景についても伺いたいと思います。まず博成さんの取り組みの特徴として、ゼロから起業したのではなく家業を生かした点があると思います。

井上(博):そうですね。元々の家業は工務店でしたが、今後も単に住宅を建設していくスタイルでは競合も多く、レッドオーシャンに突っ込んでいくことになります。そうではなく、木材や森林の価値を高め新しい領域へ展開するためには、一般顧客やユーザーとのつながりを作り、ニーズを掘り起こすことが必要になると考えました。これまでの物質的な時代から、これからの精神(心)の時代に生き残るために、ただモノを作って売る単純発想のビジネスではなく、新たな価値を生むサービスデザインをすることで事業をブランド化し利益率を高める。そういった質的転換を目指したことが発端となりました。

私にとっては家業というベースがあったからこそ、問題意識が生まれ、まだ世の中にない新しい価値にも気づくことができました。一から事業を始めるとしたら、まずどこからどう参入するかから考えなければいけませんから、元々ある地盤を生かしてフェーズアップしていけたことは恵まれた素地であったと思います。

井上(有):地元で家業を継ぐというのは昔ながらのスタイルのようですが、本当に恵まれたアドバンテージであり大事にするべきだと私も思います。飛騨五木の取り組みでは、その家業に足りないものを補っていくアプローチと、博成さんが大学等で学び研究してきた中で描いた大きな社会のビジョンから逆算するアプローチと、その両輪があったのだと思いますが。

井上(博):そうですね、研究の視点からは、森林や地域の本質的な価値に目を当てることができ、海外の先進事例もヒントにしながらこれからの社会の大きな方向性や着地点を見せてもらいました。現在私がビジネスとして取り組んでいるものは、研究調査をしながら知見を積み上げてきた事業領域が多く、大学での学びが果たした役割が大きいです。

地域だからこそ生み出せる本物の価値

飛騨市の町並み

井上(有):飛騨五木グループには、もしかしたら地域で競合となる存在がないとも言えるのではないでしょうか。

井上(博):確かに、建築については元々近隣で木造を手掛ける工務店が少ないですし、地域商社事業についていえば事業内容そのものが独自路線となってきており、業界内で見渡しても全国的に競合はないと実感しています。私たちのように林業の川上から川下までトータルに取り組んでいる会社自体も珍しいため、その点に魅かれて採用希望者からの応募も増えていて、いい循環になってきました。2021年の新入社員はグループ会社全体で10名になりました。地方や都市部出身の方など多様性に溢れ、女性の割合が多いのも特徴になっています。飛騨五木は全スタッフの9割以上が女性です。

井上(有):地域だからこそ、何か1つでも強みがあればブルーオーシャンで事業を展開できるというのは感じますよね。

井上(博):地域にはまだ価値化されていない領域が驚くほどたくさんあります。もし知恵を絞って可能性を考える人材がそこにいれば、新たな価値を生み出せるはずです。しかし私が見ている実情は、既存のスタイルのままの事業が多く、そこに何か違う視点がスパイスとして加われば大きく変わるのに、と感じることも多々あります。

井上(有):地域で価値化されていないものの最たる例が、森林かもしれません。

井上(博):その通りですね。冒頭でお話しした計算式にもありますが、森林から川下までをつなげることで、大きな価値を作れるポテンシャルを感じています。それには、森林そのものや副産物である水資源等の価値を最大化していくこと。例えば0円だった川の流れに小水力発電施設を作ることや、木材を価値化していくためのマーケットインが必要になります。この日本全国どこにでもある“森林”から価値を生み出すノウハウを蓄積し、それを飛騨高山だけでなく全国の地域それぞれの課題や実情に合わせて社会実装していくことでその土地の資源やよさを生かしていくこともできるはずです。

井上(有):あえて、地域企業とグローバル企業との違いを挙げるとしたら何でしょう?

井上(博):本物感、というのでしょうか。グローバルに利益を追うのではなく、ボトムアップ的に地域と対話しながら、その地域に合うもの、愛されるものを追求するという理念が根底から違うと感じています。私たちの特徴はグローバル企業と逆で、活動エリアはローカルに絞りながらも事業領域はトータルに行い、地域の森林を通じた商流設計を行うという点にあると感じています。

川上から川下までシナジーを生む連携の在り方

井上(有):近年は、木材産業における大手企業も上流や下流に進出する動きがあり、よりシナジーを生む形に展開したいと多くの企業が考えていると思います。例えば、木材加工業や流通業が川上の林業に参入する、あるいは川下の建設業を始める。そのような場合、うまく川上と川下が連携しシナジーを生む秘訣は何だと思いますか。

井上(博):どこか1つだけが飛び出ないこと、バランスだと思います。川と同じで、しっかり水が流れていくことが大切で、もし川の上流が細いのに中流にダムがあったり、川下が狭くなっていると、バランスが悪いですよね。ビジネスもそれと同じで、どこかが飛びぬけて強すぎるとパワーバランスが悪く、色々なことに配慮して商流を作らなければならなくなります。時流に合わせて全てが同じバランスで成長していくことが大事だと感じています。

飛騨五木グループでは、林業部門で素材生産する際にも、川下の設計情報をベースに必要な木を選木・伐採するので、伐採コストが下がり木材の歩留まりもよくなります。最近は立木や林地の購入も積極的に進めており、自社の建築で使う材料のほとんどは自社の林業部で調達できる体制ができています。川上と川下の連携がよく取れて完結している状態だと思います。

井上(有):山林からの安定したサプライチェーンがあれば、今回のウッドショックのような事態にも揺らがない強さがありますね。また飛騨五木グループには、同族経営ならではの連帯感やバランスのよさもありそうです。

井上(博):祖父、父をはじめ経営者である叔父たちの存在は本当に大きいです。兄弟それぞれが自分の会社を持ち独立して走りながらも、グループとしてしっかりコミュニケーションが取れていて、家族経営の弊害はなくむしろ強みだと思います。また、グループのそれぞれの事業に私が同じ程度の割合でコミットしていて、取り組み内容がオーバーラップしている部分もあり、携わるメンバーもグラデーションを持って複数の組織や活動に関わっています。何かあれば私が社員から相談を受けるようになっていて、私がバランス役というかハブの役目を果たすことで、うまくシナジーを生んでいると思います。

井上(有):博成さんの気さくで飾らないキャラクターを私も知っていますから、マネジメントやコーディネートに徹するその存在が誰からも相談しやすく、連携の要になっているのだと思います。

飛騨高山大学(仮称)構想―地域の絆を結ぶ―

飛騨高山大学(仮称)の3つのメソドロジー


井上(有):最後に、現在取り組まれている大学設立に向けた動きについて教えてください。

井上(博):現在、飛騨高山大学設立基金を立ち上げ、設立予定地である飛騨市からの支援を受けながら2024年の開校に向けて準備を進めています。この大学は、まずは経済学部地域経済学科を置き、①飛騨高山エリアをハブ拠点とした他地域や企業との連携、②実践・理論・対話の掛け合わせ、③海外の先進的研究からの学び、という3つのメソドロジーが特徴になります。飛騨高山以外に、北海道~九州エリアの、人口規模1万人~100万人という多様な特徴を持つ地域11か所(2021年5月時点)にキャンパスを設ける予定で、各地域で通信制の受講ができ、また全日制も2年目からはそれぞれのエリアで多様なカリキュラムを受講できるよう構想しています。

思えば“飛騨の匠”の文化は、木材と技術をセットで全国に売る外商の文化でした。各地の文化財に携わった匠の記録や、飛騨という地名が各地に残されています。全国とつながり学びながら、自らのノウハウを生かして活躍してきた匠のように、飛騨という場所を起点に様々な地域がつながりあって交流や新しい価値を生み出せないか。そのつながりの核となるものをこれまでは森林に置いてきましたが、それは教育に課せられた課題でもあると思っています。

これからは、地域における「教育」を核に様々なジャンルの人が混ざり合い、さらに世界ともつながりグローバルスタンダードを理解すれば価値観が変わります。そして地域に価値を生み出す人材がもっと増えていけば、日本の地域が元気になっていく。私自身が研究を通じて事業に取り組んできたことからも、教育こそが地域の価値づくりの源泉でありベースであると実感しています。

井上(有):2足のわらじどころかいくつものチャレンジをされ、多忙を極める日々だと思いますが、そんな中で感じる博成さんにとっての喜びとは何でしょうか。

井上(博):地域の中で絆(bond)が育まれた瞬間、そして、その絆がプロジェクトとして形になっていくことに、達成感や喜びを感じています。そして、自分の描いているビジョンが日々一つひとつ形になっていくことは大きなやりがいです。また、自らの原体験でもありフィールドである森林に行き、そこに流れる水や風景の雄大さに触れる時、生かされているという感じがあり、感動します。

活動する中で感じるのは、自分の生まれ故郷である飛騨高山という地が持つ徳の高さというのでしょうか、全国各地との絆や歴史にもとても奥深いものがあります。ここ飛騨高山で暮らしながら、家族にも支えられ思い切って仕事や研究ができることは、何事にも代えがたいと感じています。そういった点でも、自分はものすごく幸せ者だと感じています。

井上(有):林業における川上と川下、地域と地域、そして研究と実践の絆。その結び目になるのが飛騨五木グループの存在であり、これから新しく誕生する大学になるのだと思います。いつもその中心にいる井上博成さんの活動に、これからも注目しています。

今日もフィールドと研究を行き来する
  • Twitter
  • Facebook
井上 有加
井上有加(いのうえ・ゆか)

1987年生まれ。京都大学農学部、同大学院農学研究科で森林科学を専攻。在学中に立ち上げた「林業女子会」が国内外に広がるムーブメントとなった。若手林業ビジネスサミット発起人。林業・木材産業専門のコンサルティング会社に5年間勤務し国内各地で民間企業や自治体のブランディング支援に携わる。現在は高知県安芸市で嫁ぎ先の工務店を夫とともに経営しながら、林業女子会@高知の広報担当も務める。田舎暮らしを実践しながら林業の魅力を幅広く発信したいと考えている。

コラムニストの記事一覧へ