第22回:永続企業の三大噺(さんだいばなし)~企業理念×CSR×サステナビリティ
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~ ビジネスと社会課題解決を両立させ、‘らしさ’で競争優位を創り出す!待望の戦略メソッド ~
【CSRブランディング最前線! 第22回】熱心なCSR部門の方から、「やっぱり、CSRは企業理念と関係が深いですね」「CSRをどう企業理念に紐づけるか」などという、悩みながらも悟りのような言葉を耳にします。さらには、「サステナビリティは、どう位置づけるの?」といった具合です。今回は、これからの永続企業の3大キーワード(企業理念・CSR・サステナビリティ)をモチーフに、持続的成長・中長期の企業価値向上のためのゴールデンストーリーを編んでみましょう。
「企業理念」は、社会との約束事
松下電器器具製作所(現パナソニック)は、今年、創業100周年を迎えました。中堅・中小企業も含め、今日まで長きにわたって営々と発展している会社は、創業者や中興の祖が、魂を込めて「あるべき姿」を思い描き、まさに命がけで立ち上げています。その千金の価値のある創業者の口ぐせや珠玉のエピソードこそが、「創業の精神(スピリット)」であり、「企業理念」へと昇華していきます。それは、企業の「社会との約束事」であり、社会における存在意義そのものです。
「理念」とは、信念にまで高まった哲学や「強い思い」のことで、会社を経営する上での経営者の強い思いが「企業理念」です。経営するにあたり、何が正しいかという人生観、社会観、世界観に深く根差したものであり、価値観、判断基準、道徳観、倫理観も反映されます。法律上の定款とともに、「信念上の定款」と位置づける経営者もいるほどです。理念は、言わば企業が「重視すること」です。
企業も錆びる、企業も老ける~「理念」を、時空を超えて実現する
優良企業の理念には、おしなべて「社会を幸せにしたい」「社会を豊かにしたい」という趣旨が込められています。ところが、時代とともにその「社会」が激変します。昔ながらの発想でやっていると、良かれと思ってやったことが、無価値になってみたり、挙句の果てには、あだになることも起きてしまいます。その逆に、今まで気にも留めてこなかったことが、社会からプレミアムな価値として受け入れられることもあります。
フィリップ・コトラーは、「変化に直面した時にとりうる最善の策は、変化を糧にする組織を作ることである」と言っています。時代の変化にしなやかに対応できる会社組織をいかに創り上げるかということです。ズバリ、「時代を味方につける」ビジネスセンスが鍵となります。
ここに、時空を超えて、「企業理念」を実現する戦略として、「CSR」を経営に組み込む意義があります。
いつの時代にも「企業理念」を実現するために、あらゆる変化に柔軟に「対応」していくことが、CSRの基本です。「対応」とは、英語で、response 。つまり、CSRのResponsibilityの「R」の本質がここにあります。この単語はresponse(反応する、対応する)と、ability(力、能力)からなります。つまり、「対応する能力」ということです。現代社会への対応力を備えた経営として、いま「CSR経営」が注目されています。
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一般に、毎年数多く設立される企業のうち、8割は設立5年後に、9割は設立10年後になくなっているといわれます。企業も錆びます。企業も老けます。そのため、いつの時代においても、社会を幸せにできるように、企業を磨き上げるのが「社会対応力」です。それが、「CSR」の真髄です。私が提唱する「CSRブランディング」フレームの図の緑の輪が、従来からの事業活動に磨きをかけ、時代にふさわしく輝きを放つ大切な要素です。
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「サステナビリティ」で、企業と社会の相乗発展へ
ビジネスの究極の目的(企業の存在意義)が「理念」の実現とすれば、総じて優良企業はそこに、「社会のため」を掲げています。したがって、今日の企業は、現代社会の共通の価値観である「サステナビリティ」を希求することが強く求められています。地球環境が保全され、健全な社会があればこそ、企業もまた持続的成長・中長期の企業価値向上が実現できます。
「サステナビリティ」が目的とすれば、「CSR」はそれを実現するための目標となります。「目標」は「目的」に至るための過程であり、手段です。永続企業であるためには、「企業理念」を時代にふさわしく実現するため、「CSR」を経営に組込み、「サステナビリティ」を目指すことが要諦です。
企業と社会の利益をその時代の社会ニーズを踏まえて高い次元で調和させることで、企業と社会の持続的な相乗発展が実現できます。これからの永続企業の黄金律は、「企業理念×CSR×サステナビリティ」といえましょう。
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