第11回:炎上するCM、しないCM、その違いは? (上)「日本とアメリカの子育てはこんなに違う!?」
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こんにちは、サステナブルビジネス・プロデューサーの足立です。今回は最近ちょっと話題になっているテレビCMに関連した話題を取り上げたいと思います。
既にご存知の方も多いかと思いますが、とある日本企業のオムツのコマーシャルがSNSで炎上しました。初めての育児に奮闘するママを応援する感動的なCMを意図していたのだと思うのですが、赤ちゃんの世話や家事でてんてこ舞い、すべてを1人でこなすお母さんの姿を見た視聴者からは「ワンオペ育児を推奨するのか!?」と非難轟々なのだそうです。
実際このCMではお母さんが1人でなんでもしていて、一瞬「もしかして母子家庭?」と思ってしまうほどなのですが、よく見てみると、父親らしき人の後ろ姿も少しだけ登場します。けれどもそのお父さんや周りの人が、お母さんを助けてくれる状況はなぜかまったく出て来ません。
そして「ママは泣いちゃダメだって思ってた」「ママは強くなきゃダメだって思ってた」という歌詞が流れる中、苦しげな表情のお母さんがポロッと涙を流し、最後に「その時間が、いつか宝物になる」というキャプションが出て終わります。
子育て経験のない私が見ていても「お母さんは大変だ…」と胸が締めつけられるほどですが、子育てをした女性からは「その頃のことを思い出して辛くなる」とか、「気分が悪くなる」といった感想がSNSに書き込まれています。
もちろん子育てが大変なのはその通りでしょうし、実際に多くのお母さんがかなりの部分を1人でこなしているのが日本の現実なのかもしれません。しかし、それにしてもお父さんはまったく出て来ないので、「時間が経てば良い思い出になるんだから今は一人で頑張りなさい」と言っているように見えてしまったのでしょうね。
さて、前置きがとても長くなってしまいましたが、今回取り上げたいのはこの日本企業(A社としましょう)ではなく、競合するアメリカのP&G社、そしてそのオムツのブランドであるパンパースのCMです。こちらの方が前に作られていますから、意図的に対抗したわけではないのは明らかですが、実に対照的なのです。まずは以下の動画をご覧ください。
「パンパース│キミにいちばんのこと│#キミにいちばん」
後日更新する「2つのCMの明暗を分けたものは?」に続きます。