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ニュージーランド

NZの企業、メガソーラー着々と――自然エネの比率80%に

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イーランズ・ワイングループのシービュー・ヴィンヤードがあるマールボロー地方は、国内で最も日照時間が長いことで知られる
© Yealands Wine Group

ニュージーランドのワイン醸造大手イーランズ・ワイングループ(本社・オークランド)は10月中旬、南島の同社敷地内に国内最大規模のソーラーパネルを増設し、合計出力は400kWを超えた。同国では、企業によるメガソーラー設置が進みつつあり、国内電力使用量に占める自然エネルギーの比率は約80%に達した。

イーランズ・ワイングループは、サステナブルなワインメーカーとして有名だ。ブドウの育成からワインボトルに至るまで、環境に配慮したワイン造りが評価され、国内外で数々の賞を受けている。

同社所有の、南島ブレナム近郊にあるシービュー・ヴィンヤードでは、醸造作業所の屋根上にソーラーパネルを設置しているが、10月中旬、それをさらに増やし、合計出力を400kW強にまでアップさせた。このおかげで敷地内の電力需要の30%を太陽光で賄うことが可能になった。

国内の2015年における太陽光による発電量は33GWhで、前年より2倍強の伸びを見せている。ワイン用ブドウの栽培に不可欠な、長い日照時間は、太陽光発電にも必須。双方の条件が合致するため、他のブドウ園でもソーラーパネルは多く取り入れられている。また最近はワイナリーだけでなく、製造業、小売業とさまざまな業態の企業も太陽光発電を試みている。

ニュージーランドの一次エネルギー供給における、太陽光を含む自然エネルギーの割合は、2015年40%を上回り、今までで最も高い割合となった。その内訳は56%の地熱を筆頭に、水力、バイオ燃料、風力、太陽光と続く。

政府は2011年に10年計画として、オプションが豊富なエネルギーを多様に組み合わせ、効率的かつ環境に配慮して使用するという方針を打ち出している。それに加え、今年3月には電力に言及した数値目標を発表。現在国内電力の約80%を占める自然エネルギーの割合を、2025年までに90%まで引き上げる予定だ。

クローディアー真理

ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。