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ヤマハ、言語や聴力に不安のない社会へ167社と連携

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ヤマハは言語や聴力に不安のない「音のユニバーサルデザイン化」の社会を目指し、167の企業・団体が参加する「SoundUD推進コンソーシアム」を10月に設立した。参加企業には同社が開発した音声を文字化するシステム「おもてなしガイド」の技術をオープン化する。外国人や聴覚障がい者、難聴の高齢者など、誰にでも格差や差別を生むことなく等しく情報を伝達することができる社会をつくっていく。(辻陽一郎)

「おもてなしガイド」は音声情報をテキスト化するサービス。交通機関や空港、ショッピングモールなどで流れる音声ガイダンスを、スマートフォンで読み込むと内容を文字で確認できる。ヤマハはおもてなしガイドの実証実験を2015年から、イオンモールや成田空港、東海道新幹線などさまざまな場所・施設で実施してきた。

同社広報部の新川兼司氏は「実証実験の結果、言語や音に関する情報格差はさまざまな場所にあることがわかりました。この問題を解決するには、おもてなしガイドのようなサービスを全国で全業種に渡り、社会インフラとしてスピーディーに展開する必要があります。当社は単独ではなく組織が連携して業界横断的に展開すべく、今回の組織を立ち上げました」と設立の背景を説明。

2018年4月から、おもてなしガイドの技術を活用した「SoundUD支援ツール」を会員に提供する。4月以降はヤマハ以外の企業から新たな放送装置や受信アプリ、サービスなどがどんどん出てくる予定だという。

音のユニバーサルデザイン化は平常時だけでなく緊急時にも重要だ。コンソーシアムでは、消防庁とも連携して「SoundUD」を活用した避難訓練も実施した。避難指示がスピーカーから流れると同時にその内容が多言語の文字になって手元のスマホで見られるという実験も行った。

新川氏は「外国人や聴覚障がい者の方にも、何が起こったか、どう避難するか知らせる必要があります。オールジャパン体制で一丸となり、音の情報格差を解消するインフラを作って行きたいと思っています」と語った。

辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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