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レゴ、全社員の給与体系を気候変動目標と連動へ

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Image credit:LEGO

デンマークの玩具メーカー「レゴ」はこのほど、全給与取得者が世界の工場や店舗、オフィスにおいて、CO2排出量の削減に取り組むよう促すための新たな年間KPI(重要業績評価)を発表した。

レゴグループは、給与体系と気候変動目標の進捗を連結させた最も新しい大手企業だ。特に、業務に関連するCO2排出量の削減に力を入れる。レゴの取り組みは新たな業績管理プログラムを最高幹部に適用するだけではなく、CO2排出量の削減目標への貢献のために全世界の従業員にやる気を起こさせ、報奨金を与えるという点で独特だ。(翻訳・編集=小松はるか)

同社は最近、新たな年間KPIの詳細を明らかにした。KPIは、同社が目指すCO2の絶対排出量を2032年までに37%まで削減し、2050年までにネットゼロを達成するという目標の実現を支援するために、世界中の従業員を対象にした指標だ。ホームページでは以下のように説明する。

「私たちは工場、店舗、オフィスでの排出量を減らし、同僚たちがプラスの影響をもたらせるよう支援するために新しい年間KPIを掲げている。KPIは、当社の運営による排出量(スコープ1やスコープ2)、スコープ3のカテゴリーの一つに含まれる出張による排出量から測定し、さらに、当社が追跡できる炭素強度の測定基準を導き出すために、同時期に製造されたブロックの数を排出量と比較している」

「2024年から従業員の賞与の支払いの一部を年間排出量と連動させる予定だ。より持続可能なビジネスを行うという目標に向けて前進しながら、そのうち、スコープ3の排出量まで範囲を広げていく」

ダノンやチポトレ、ナイキ、マーズ、マイクロソフト、ラルフローレンなど、ますます多くの企業が役員の給与体系とさまざまな社会・環境的KPIを連動させるべく取り組んでいる。しかし、カリフォルニアの非営利組織「As You Sow」が2022年のPay for Climate Performance報告書で指摘した通り、“悪魔”は企業のコミットメントの細部に宿る。長期的なインセンティブ制度に測定可能な気候変動の測定基準、報酬を包含(統合)すること、例えばCEOの報酬と定量的な排出量削減実績とを連動させることは、必要なインパクトをもたらし、説明責任を果たすための鍵となる。

レゴはそれ以上の詳細を明らかにしていないものの、気候変動対策の成果管理プログラムに全給与所得者を含めるというのは、レゴの業績に直接的な影響をもたらす1万8000人以上の幅広い関与を期待できる良い兆しだ。また、階級の低い従業員はどのように彼ら彼女らの行動や選択が目立った変化をもたらせるのかを理解するのに苦労するかもしれないが、世界中で行われている彼ら彼女らの日々の業務上の決定は会社全体に大きなインパクトを生む可能性がある。

「多くの企業では、“サステナビリティ”の肩書を持つ一握りの人しか気候変動問題を仕事の一部として捉えていない。しかし、気候変動の範囲や規模は私たち全員に介入の道を見つけるよう求めているのです」とプロジェクト・ドローダウンのドローダウン・ラボで所長(当時)を務めていたジェイミー・ベック・アレクサンダー氏が2021年、Climate Solutions at Workを発表した際に語っている。その無料の戦略書は、役職に関わらず、世界中の従業員が力を手に入れ、また、民間セクターが実質的な気候変動対策を可能な限り迅速かつ安全、公平に達成できるよう変えていくことを目指す内容だ。

一方、レゴは気候変動目標を達成するべく多方面で取り組みを継続している。製品においては、実行可能なプラスチック代替品の継続的な研究開発を通じて年間に生産する600億個以上のブロックの持続可能性を向上させ、さらに回収・リサイクルプログラムを通じて既存のレゴブロックの循環性を高めている。