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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

サステナブルブランド・イメージ調査 首位はトヨタ SDGs認知度は84%に

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サステナブル・ブランド ジャパンは24日、全国の1万5000人を対象に国内19業種300社の持続可能な環境・社会への取り組みとブランドイメージについて調査した「ジャパン・サステナブルブランド・インデックス(Japan Sustainable Brands Index:JSBI)」を発表した。サステナビリティに対する企業活動のさらなる促進を目指して、各社の取り組みや商品、ブランドの価値を評価指数化したもので、今年が2回目。持続可能な取り組みを行っているブランドとして認知されている企業の1位と2位には2年連続でトヨタ自動車と良品計画が、3位には昨年の25位から躍進したスターバックス・ジャパンが入った。SDGsの認知度は昨年の58.1%から84.2%にまで上昇した。(廣末智子)

調査企業19業種300社、回答サンプル数1万5000人へと拡大

人権や環境問題を中心に世界の潮流が大きく動き、社会の変革につながるような企業のアクションが求められる昨今。サステナビリティを事業活動の柱に組み込むのはもちろんのこと、自社の取り組みが生活者の目にはどう映っているのかという視点から活動を見つめ直し、生活者の抱く企業イメージと、実際の企業アクションとのギャップを埋める行動や製品・仕組みづくりを行うことが欠かせない。そのような観点から、企業の取り組みを生活者目線で見直し、生活者が企業やブランドに対して持つ認識が、その時々の消費行動や、商品の推奨行動にどのような影響を及ぼすかを可視化する目的で始まったのがこのJSBIだ。

今回の調査は対象企業を前回の17業種180社から19業種300社へと、インターネットのアンケートによる回答サンプル数も全国の18〜79歳の男女1万5000人(前回は9000人)へと大きく拡大し、昨年11月〜12月にかけて実施。対象企業のSDGsへの貢献イメージを指標化した「SDGs貢献イメージ得点」と、SDGsの17の目標(質問数30)に照らし合わせて各企業の取り組み具合を評価した「SDGs評価得点」の合計点を基準化し、総合得点を出した。上位30社は以下の通り。

JSBI TOP30 企業 (SDGs貢献イメージ得点+SDGs評価得点)

SDGs 貢献イメージ得点
SDGsに貢献しているイメージがあるかを100点満点で評価。調査対象が「SDGsに貢献していそうだ」というイメージを持たれている企業が高い得点を得る傾向にある。
SDGs 評価得点
SDGsの17目標と企業が実際に行っているサステナビリティ活動とを照らし合わせて評価。サステナビリティに対する具体的な活動内容が認識されている企業が高い得点を得る傾向にある。

▷上位100社の結果:レポート(速報版)
https://www.sustainablebrands.jp/event/sb2022/JSBI2021-Report_Ver.1.0.pdf

業種別の傾向としては、「素材・化学・機械」「家電・AV機器」が高水準ながらも前回より評価をやや下げ、「薬品・医療用品」「エネルギー」のほか、「化粧品・トイレタリー」「食品」「流通・小売業」「ファッション・アクセサリー」など、生活接点に近い業種が高く評価された。一方で「金融・保険」「出版・教育・広告・印刷」は前回と同じく低評価だった。

また今回の調査では、生活者が各企業に対し、SDGsの17の目標のうち何に力を入れてほしいと感じ、実際にどの目標の達成度が進んでいると評価しているのかについても初めてアプローチした。

その結果、生活者が企業に力を入れてほしいと求めているのは、経済を軸とした目標(9番の「産業と技術革新の基盤をつくろう」と11番の「住み続けられるまちづくりを」、8番の「働きがいも経済成長も」)と、健康や平和を軸とした目標(3番の「すべての人に健康と福祉を」16番の「平和と公正をすべての人に」)であり、3番と9番については実際に企業の取り組みが進んでいると評価する割合が高い一方、11番と16番について評価を得ている業種はほとんどないことも明らかになった。

SDGsの認知度1年で58%から84%へ急上昇

一方、同時に調査したSDGsの認知度は、今回、84.2%にまで到達。2018年の独自調査では9.3%だったのが2020年12月末時点で行われた初回のJSBIでは58.1%に、そして今回、9割近くにまで一気に上昇したことで、この数年で生活者の間にSDGsが急速に浸透し、関心が高まっていることを裏付ける形となった。

今回の調査結果について、監修にあたった青木茂樹・駒澤大学経営学部市場戦略学科教授は、「いちばんのポイントは、生活者がSDGsの中でもレジリエントな街づくりや平和の実現を重要視しているのに対し、現状ではそれに応える活動を推進している企業の姿は見えづらいのがはっきりしたこと。重要なのは、自社の事業をいかに広く捉え、生活者の求める方向に寄せていくか。例えば脱炭素の観点から語られることの多いエネルギーの課題も、資源争いに終止符を打つという観点に立てば、平和の実現に寄与するとアピールすることも可能であり、調査結果にはサステナビリティをブランド戦略に生かすヒントが詰まっている」と語っている。

調査・分析結果は、本日2月24日から明日まで開催する「サステナブル・ブランド国際会議2022横浜」で発表。サステナブル・ブランド ジャパンでは今後、JSBIが企業にとっての有用な指標として確立するよう、調査手法を再考しながら調査を継続する。

■調査方法:インターネット調査 ※回答者は、グループ分けされた6つの企業(対象企業社数計300社)について、それぞれ30問の設問に回答。
■調査対象者:18歳-79歳の男女 ※スクリーニング調査で「対象企業を知らない」と回答した人を除外して本調査を実施。
■調査地域:全国47都道府県
■使用パネル:予め登録されたクローズドモニターによって構成されたパネル
■調査期間:2021年11月9日~12月11日
■回 収 数:1万5000サンプル(1社あたりの回答者数は300サンプル)
■調査実施者:サステナブル・ブランド ジャパン(株式会社 博展)