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全日本空輸は、世界最大の起業家支援NPOであるエンデバー(米国ニューヨーク)へ、アジアの航空会社として初となるフライト支援の提供を開始した。エンデバーの活動に伴う航空券を提供するほか、特設ウェブサイトで同組織の認知促進を後押しする。これまで社会起業家のフライト支援による社会貢献を行ってきたが、起業家にも支援対象を広げた。(グローバルプレス・寺町幸枝)
エンデバーは、「各地域のエコシステムの拡大・経済の成長に寄与できる起業家」を発掘、支援する非営利組織で、米国ニューヨークに本拠地を構える。そのネットワークは、リンクトインの創業者のリード・ホフマン氏をはじめとした、世界的な起業家や大企業経営者など約500人のボードメンバー、3000人に上るメンターによって構成されている。
今年組織設立20周年を迎え、現在27か国30拠点を構える同組織は、その活動を通じて選出された起業家である「エンデバー・アントレプレンナー」を生み出している。2015年単体だけでも、このエンデバー・アントレプレナーたちによる総収益は、合計で9,300億円に上り、また2016年までに60万人の雇用を創出している。
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これまで全日空は、BLUE WINGプロジェクトを通じて「よりよい世界の実現に向けて奮闘している社会起業家(チェンジメーカー)を、顧客のさまざまな支援を見える化することで提供してきた。特別サイトを通じて購入したフライト代の一部を、チェンジメーカーのフライト支援費用に充当したり、ソーシャルメディアでの「いいね!」の数を、数値化して支援金に当てるといったことだ。2014年2月からの活動で、累計1100万円相当に上るフライト支援の提供を行っている。(2017年10月現在)
今回全日空がBLUE WINGのプロジェクトを通じて、エンデバーのフライト支援を開始するに際して、エンデバーの日本支部に当たるエンデバー・ジャパンの初代チェアマンであるマネックスグループ株式会社の松本大氏は、「起業とイノベーションには、社会を良い方向に変えていく力があると信じています。私自身も、エンデバーへの支援を通し、後世と世界に貢献するような起業家の発掘と支援に努めたいと考えて います。社会をよりよくしたいと活動をするチェンジメーカーをサポートする、この BLUE WING の活動がより活性化されることにより、良い変化が加速することを願っています」とメッセージを寄せている。
このフライト支援は、エンデバー・ジャパンの活動に限らず、グローバルな規模での活動に利用されることが決まっており、直近では大きな被害が懸念される、メキシコの震災復興活動につながるプロジェクトに提供される予定だという。
寺町 幸枝(てらまち・ゆきえ)
Funtrapの名で、2005年よりロサンゼルスにて取材執筆やコーディネート活動をした後2013年に帰国。現在国内はもとより、米国、台湾についての情報を発信中。昨年より蔦屋書店のT-SITE LIFESTYLE MAGAZINEをはじめ、カルチャー媒体で定期出稿している。またオルタナ本誌では、創刊号以来主に「世界のソーシャルビジネス」の米国編の執筆を担当。得意分野は主にソーシャルビジネス、ファッション、食文化、カルチャー全般。慶應義塾大学卒。Global Press理事。