• 公開日:2017.10.04
  • 最終更新日: 2025.03.21
住商、電車の回生電力をバスに活用:埼玉で実証実験
    • 辻 陽一郎

    住友商事は、電車が減速するときに発生する回生電力を蓄電池に回収し、電動バスを走らせるためのエネルギー源とする実証実験を始める。さいたま市、埼玉高速鉄道と協力し、2018年秋に、埼玉県さいたま市にある浦和美園駅バスターミナルに急速充電システムを設置して運行実証を行う予定だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせて営業運行を目指す。(辻陽一郎)

    埼玉高速鉄道 浦和美園駅・バスターミナルでの実証システムイメージ

    回生電力は省エネルギーの観点から有効活用の方法に注目が集まっている。ブレーキ時に発生した電力は架線に戻して、他の電車を動かすエネルギーに活用することが多い。

    だが、今回の住友商事のプロジェクトでは、次世代水素蓄電池を使用することで、これまで回収することが難しかった回生電力を全量回収できるようにした。

    この蓄電池を開発したのは、東京大学発ベンチャーのエクセルギー・パワー・システムズ(東京・文京)だ。蓄電池に回収した電力は、電動バスに5分以内に超急速充電する。住友商事広報担当は「回生電力を電動バスに活用する取り組みは世界初」と話した。

    回生電力を使用するゼロエミッション電動バスは、浦和美園駅とさいたま新都心駅間、10kmほどを運行する。一度の充電で往復分を走らせることが可能という。2020年に運行を目指しているが、五輪後は災害時にも役立つ市民の足としても活用する予定だ。

    written by

    辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

    オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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