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  • 公開日:2013.09.30
  • 最終更新日: 2025.03.21
34号 世界のソーシャル・ビジネス(米国) カラー展開は62色、米で話題のミネラル系コスメ
    • 寺町 幸枝

    アリマピュア創設者のケイト・オブライエンさん

    2004年、米国オレゴン州ポートランドで生まれた本格自然派コスメブランド「アリマピュア」。合成添加物や増量剤、香料などを一切使用せず、顔料にあたるミネラル(無機物)パウダーで作られているのが特徴だ。ファンデーションのカラー展開は62色と豊富で、多くの女性の支持を集めている。(ロサンゼルス=寺町幸枝)

    創設者のケイト・オブライエン氏は、母親のガンがきっかけで、メイクに興味を持ち始めた年ごろの娘のために、身体に負担の少ないナチュラルコスメを探し始めた。しかし、見つかった自然派コスメブランドは、どれもティーンエージャーが喜ぶような色や質感を持ち合わせていなかった。

    オブライエン氏は、ナチュラルで、娘たちがウキウキするようなコスメブランド「アリマピュア」を立ち上げることを決めた。現在は米国だけでなく、世界7カ国で販売されている。

    一般的な化粧品は、肌への密着度を上げるために、顔料だけでなく、油脂類、ワックス類、ポリマー類や防腐剤などの化学物質が混合されている。一方、ミネラル系化粧品は、顔料にあたるミネラルでできており、負担が少ない分、肌に優しいとされている。

    人気の主力は、何と言っても多色展開の「サテン・マット・ファンデーション」。米国のコスメ関連のレビューでも、「62色のカラー展開のおかげで、自分のスキントーンにぴったり合ったファンデーションを選べるようになった」とコメントをする人が多い。

    この秋には、ホホバシードエスターやビーワックスなど、90%以上の成分をナチュラルな原料で作った「ナチュラル・デグニション・マスカラ」を発表。まつげを保湿し、保護するためのマスカラを開発した。

    ファンデーション以外にも、アイカラーやチークなども多色展開している

    独BDHIからも認定

    アリマピュアはミネラル系化粧品ブランドの中でも、合成添加物や増量剤、香料などを一切使用せず、厳選されたミネラルパウダーで作られていることで知られる。

    アリマピュアのパウダー商品はすべて、ドイツの自然化粧品認定機関「BDHI」の基準をクリアしている。BDHIは、1千種類以上の化学薬品を禁止するなど、独自の厳しいガイドラインを設けている。アリマピュアは米国ブランドとして、2番目に認定を受けたコスメブランドとなった。

    米国本社は、非営利団体Bラボ(米ペンシルバニア州)によるBコーポレーションの認証も受けている。Bコーポレーションとは、「社会や環境により良い企業活動を行うことを表明し、行動する会社」を認証する制度で、パタゴニアやセブンス・ジェネレーションなどもこれに参加している。

    2013年8月には、国際問題評議会オレゴン支部が運営する「アフリカ女性の起業支援プログラム」に参加しているアフリカ出身の2人の女性を本社へ招待した。

    社内オペレーションの現場を見せたり、同社クリエイティブディレクターのテレサ・クラーク氏自ら、ベースファンデーションの色の見分け方を指導したりした。アフリカのコスメ業界でこれから活躍するだろう彼女たちとの交流は、アリマピュアにとっても、貴重な機会となった。

    これからも様々なビジターの受け入れをしたいというアリマピュアは、コミュニティーと共生する活動を積極的に行っていく。

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    written by

    寺町 幸枝(てらまち・ゆきえ)

    Funtrapの名で、2005年よりロサンゼルスにて取材執筆やコーディネート活動をした後2013年に帰国。現在国内はもとより、米国、台湾についての情報を発信中。昨年より蔦屋書店のT-SITE LIFESTYLE MAGAZINEをはじめ、カルチャー媒体で定期出稿している。またオルタナ本誌では、創刊号以来主に「世界のソーシャルビジネス」の米国編の執筆を担当。得意分野は主にソーシャルビジネス、ファッション、食文化、カルチャー全般。慶應義塾大学卒。Global Press理事。

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