• 公開日:2015.12.17
43号 世界のソーシャル・ビジネス(ニュージーランド) 空腹の子どもにヘルシーなランチを

    ヘルシーなお弁当は空腹を満たすだけでなく、新鮮で栄養価の高い食事をとることの重要性を子どもたちに教えている

    ニュージーランドの学校では昼食はお弁当が一般的だ。しかし、貧困層の子どもは朝食も昼食も食べず、空腹で学校生活を送る。労働党、グリーン党は、こうした子どもを助ける法案を各々提出したが、2015年初めに廃案になってしまった。政府は、すでに朝食無料配布サービスがあり、貧困層の子どもは少数だからと主張している。

    子どもの貧困問題が中流層にまで影を落としつつありながら、政府の援助が期待できないなかで、北島のオークランド市内でランチのオンライン・オーダー・サービスを行っているイート・マイ・ランチ社のシンプルで的を射た取り組みに多くの支持が集まっている。

    「バイ・ワン、ギブ・ワン」は、同社のお弁当を10NZドル(約800円)で購入すると、自分だけでなく、子ども一人にヘルシーなお弁当が提供されるというプログラム。10NZドルでお弁当の材料費、運搬費、包装費がまかなわれ、お弁当作りはボランティアが担当している。

    無料のお弁当は学校単位で配られる。イート・マイ・ランチが教育省の資料からそれを必要としそうな学校を割り出し、アプローチ。学校側から連絡することも可能だ。双方が合意すれば、配布の開始だ。

    リサさん(右)とマイケルさん。マイケルさんは高校中退後、インターンとして入った店で才能を開花させた

    4カ月半で6千食を配布

    創業者は、チョコレートなどの「健康的ではない」食品を製造・販売する大手企業に長年勤務してきたリサ・キングさんとイアン・ブキャナンさん。キャリアをふり返り、自分の国で今、子どもが貧困や肥満問題に直面している事実に駆り立てられ、イート・マイ・ランチを創業した。そこにリサさんの友人で、自らも貧しい家庭に育った名シェフ、マイケル・メレディスさんが加わった。

    手を貸そうというボランティアは引きも切らず、おもちゃブランド、自動車メーカー、カフェなど多くの企業も協力を惜しまない。例えば、自動車ブランドのミニは、運搬用車両を提供している。

    創業からわずか4カ月半で25校に6千食ものランチを配布した。

    2016年からは、クラウドファンディングで資金調達した約13万NZドル(約1043万円)を使い、本格的な厨房で弁当作りを開始する予定だ。その後は恵まれない子どもたちの将来を考え、栄養バランスのとれた食事の大切さを教えるための料理教室を開くことを目指している。

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