「ESG情報発信の潮流とGRIFの動向」を講演する田中執行役員(12月9日、東京ビックサイト)
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「エコプロ2016――環境とエネルギーの未来展」が8日から東京ビッグサイトで始まった。サステナブルブランド・ジャパンのブースでは最終日の10日までの3日間、SBJコラムニストが登壇するスペシャル・セッションを開催している。
9日は、サステナブル・ブランド国際会議東京実行委員を務めるサンメッセの田中信康執行役員が登壇した。「企業の皆さんは特にESG情報の発信について悩んでいるのではないか。分かりやすく説明したい」と前置きし、「ESG情報発信の潮流とGRIFの動向」について講演した。(オルタナ編集部=松島香織)
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、「GPIFの運用委託先が選ぶ優れた統合報告書」を公開していることを紹介した。味の素、丸井グループ、大和ハウスなどが選ばれており、リストアップしたい企業が既に動いているという。
GPIF はESGインデックスも策定中であり、「今までではあり得なかったことが起きている」と話した。ただ、日本はまだまだ、財務・非財務情報の発信について意識が低い、と付け加えた。
最後に田中執行役員は、自ら足を運んだトヨタの決算説明について触れ、「豊田社長はシンプルに、クルマづくり、ガソリンゼロにする未来への挑戦、強靭な財務基盤をつくる、という3つの意志を挙げた。数字には出来ないが、トップが公言することでとても強いメッセージになる」と話した。
「真のダイバーシティを考える―サステナブルの実現に向けて」を講演する山岡代表取締役(12月9日、東京ビックサイト)
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13時からはグロウス・カンパニー+の山岡仁美代表取締役が「真のダイバーシティを考える―サステナブルの実現に向けて」と題し、講演した。ダイバーシティを推進するにあたり、ダイバーシティに対し「健全な認識をすること」が重要であり、戦略的に捉えていくべきとした。
積極的な差別解消策をとること、従業員の家族に対する責任に配慮すること、仕事と生活の調和をとること、組織活動のプロセスに社会的公正性や環境へ配慮を取り入れること、などが重要だとした。さらにこれらを継続させなくてはいけない、という。
最後にNTTドコモなどの取り組み事例を紹介。日本政策金融公庫大阪センターは「互いを褒めるメッセージ」で社内のコミュニケーションを図り、結果、チーム力が上がったという。ダイバーシティは、特別なものではなく、日頃の生活の中から継続して行うものだと話した。
松島 香織(まつしま・かおり)
サステナブルブランド・ジャパン ニュースサイトの立ち上げメンバーとして参画。その後2022年12月から2025年3月まで、デスク(記者、編集)を務める。