![]() 10月14日に実施した従業員ボランティアによる製品寄贈活動(日本ケロッグ高崎工場)
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食品大手の米ケロッグは、食料支援を必要としている世界中の子どもたちへ、2025年までに25億食分の食料を寄贈すると発表した。同社は2013年から朝食提供支援プログラムを実施し、合計17億食分を提供している。今後、世界の人口増加によって食料不足の拡大が懸念されているため、支援を強化する新たな目標を決めた。
国連食糧農業機関(FAO)の報告書によれば、世界ではおよそ7億5千万人、9人に1人が健康で活動的な生活を送るための食料が足りていない。世界の人口は年々増加しており2050年には約90億人に達すると言われている。
日本ケロッグの中畑会理広報マネージャーは、「人口増加に加え、日本も含めた各国で子どもの貧困率も高まっている。さまざまな社会的・政治的・環境的要因によって食糧支援を必要とする子どもたちは今後増加していく」と述べた。
ケロッグは朝食提供支援プログラムを本社のあるアメリカやカナダ、オーストラリア、アフリカ諸国などで実施している。
日本では食品のロスを引き取り、食べ物に困っている人へ提供するフードバンク事業を行うNPOセカンドハーベストジャパンへ2008年から支援を続けている。10月の世界食料デーにはシリアル3000箱を、セカンドハーベストジャパンを通じて児童養護施設や母子支援施設、生活支援団体など60の団体へ寄贈した。豊島区や足立区の子ども食堂へも提供を始めている。
日本以外の国ではフードバンクや「Breakfast Club」(朝の学童)をはじめとする朝食提供支援プログラムへの製品寄贈が中心に行われている。
ケロッグは今年10月から2025年までに25億食分を寄贈する以外にも、食料に関わる支援を行っていく。気候変動対応型農業を支援することで、ポストハーベスト・ロス(収穫後の農作物の損失)や食品廃棄を減らし、世界各国の農業従事者を支援する。
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。