![]() 赤いカップの給食を食べるスリランカの男の子 (c)Mayumi Rui
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10月16日の世界食料デーに合わせ、世界食糧計画(WFP)は開発途上国の児童に学校給食を届けるキャンペーンを展開する。ヤフーの協力でチャリティオークションを開いたり、国際協力イベントへ出展したりして集まった募金を活用する。子どもの飢餓を失くすため、途上国の1万人へ給食を届けたいとしている。
世界には学校には通いながらも満足に食事ができない子どもが、アジアやアフリカの途上国を中心に約6,600万人いる。食事が取れず栄養が足りないことは、身体の発達を阻害し学習能力の低下を招く。勉強ができないことが大人になってからの仕事にも影響を及ぼすため貧困の連鎖を招いてしまう。この課題に対してWFPは栄養不良改善に学校給食プログラムを実施している。
子ども1人当たり5,000円あれば栄養価の高い学校給食を1年間届けられる。世界食料デーに合わせて実施する「わたしがつなぐ『赤いカップ』と子どもたちの未来」キャンペーンでは、10月から3ヶ月間で1万人の子どもたちに1年間届けることが目標だ。
同キャンペーンは、ヤフーと共にチャリティオークションを展開する。ジャパンラグビーのトップリーグが協力しているため、出品するものは日本代表など著名な選手のグッズなどがある。落札額のうち、手数料などを除いたすべての金額が学校給食プログラムへ寄付される。
他にもグローバルフェスティバルや横浜国際フェスタなど国際協力イベントへ出展し、販売や募金活動を行う。チャリティTシャツを手がけるブランドのJAMMINと共同でオリジナルTシャツも制作した。1アイテムにつき700円がWFPへ寄付される。
WFP協会の外岡瑞紀広報マネージャーは「日本は国際問題の報道が少なく、食料問題への関心も低いと感じている。世界食料デーのような機会に、世界の飢餓問題に関心を持ってもらい、協力してもらえるような機会を提供することは重要だ」と話した。
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。