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米・オーガニックバレーは2015年のキャンペーンで、筋肉質な男性をCMに登場させ、これまでのオーガニック商品とは違う宣伝方法をとった。Image credit: Organic Valley
8月にイリノイ大学や北京大学の研究者が共同で消費者動向の調査発表した。テーマは「『男らしいかどうか』という基準が、持続可能な経済の発展を妨げているか?」だ。
同調査によると、男女の考え方の違いによって持続可能な消費行動に男女差が生まれるという。環境に優しい行動をする人やサステナブルな消費を好む人をどちらかというと女性的だと捉えることも、持続可能な消費行動に影響を及ぼしているという。
男性は女性よりも「男らしいか女らしいか」ということに敏感で、男らしいのかどうかをまず考える傾向がある。環境に優しい行動は男性的ではないという考えが邪魔をして、環境に配慮した活動をためらうこともある。
調査は、男性が男らしさというアイデンティティを守ろうと、環境に優しい活動に反対することもあることを説明している。
商品の見せ方を変える
実験によると、商品の見た目などが男性的であれば、男性はサステナブルな商品を好んで手にする。優しげでどちらかというと女性らしいイメージやパッケージの商品を、キャッチコピーや色を変えることで、自然と男性は商品を男らしいものだと考える。
中国のBMW販売特約店でエコカーを売るためにある実験をした。顧客の購入傾向を調査した上で、エコカーの名前を男性的な名前に変えることにした。その結果、名前を変えただけで男性客の関心が大幅に増加したのだ。
他にも、サステナビリティを目的にした慈善活動に関して男女の寄付行動の違いを比べてみた。明るい緑色の木をモチーフにしたロゴの入った「自然と友達」という名前の団体と月に向かって狼が吠えるデザインの「ワイルド・レンジャーズ」のどちらにより多くの男性が寄付するか実験した。もちろん後者だった。
性別の違いで消費行動の全てを説明することはできないが、男性が大胆さや強さを男らしさの象徴と考える傾向があるのは否定できない。この傾向を利用することで、サステナブルな消費を増やすことができる。
今回の研究は、サステナビリティをどう伝え、どうマーケティングしていけば男性消費者の心に届くかを証明する重要なものだ。
(翻訳・編集:オルタナ編集部=小松遥香)