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アフリカの発展に向けて、気候変動や持続可能な開発目標(SDGs)も重要なテーマ
第6回アフリカ開発会議(TICAD6)が27、28日、ケニア・ナイロビで開かれる。アフリカの経済成長によるビジネスチャンスへの期待の高まりから、ジャパンフェアには日本の企業・団体など約100社が集い過去最大級の規模となる。中国がアフリカへの支援を拡大し影響力を高める中、日本が中国とは異なる貢献をどう示せるかがビジネス拡大でカギを握る。
TICADは、日本政府が主導するアフリカの開発をテーマにする国際会議だ。TICAD6では、5年前のTICAD5以降発生したエボラ出血熱への対策や、アフリカ経済を減速させている国際資源価格の下落などについて議論が求められている。気候変動や持続可能な開発目標(SDGs)もアフリカの発展に向けて重要なテーマとなる。
一方、中国もTICAD同様の国際会議を3年ごとに開催して、アフリカへの影響力を高めている。日本政府が前回のTICAD5で支援を決めた額は約3.2兆円だが、中国は昨年、約6兆円の支援を表明し、さらなるインフラ整備などを進めていく方針だ。初のアフリカでの開催となるTICAD6では、アフリカの人々への日本の貢献を伝え、理解してもらえる機会にできるかが問われている。
同日に行われるジェトロ(日本貿易振興機構)主催の公式サイドイベントのジャパンフェアでは、日本企業・団体など約100社が出展し過去最大級の規模となる。出展ブースは「質の高いインフラ整備」「フードバリューチェーン構築」「気候変動対策」「保健衛生の改善」など鍵となる分野別で分けられる。
森永製菓は、ジャパンフェアでハラル認証「HI-CHEW」などの商品を紹介する。同社の広報担当は「現在ウガンダを中心にテスト販売も開始している。このジャパンフェアでアフリカ進出の可能性を見極めたい」と話した。
ジャパンフェアには、企業だけではなく日本のNGO連合体の市民ネットワーク for TICADも参加する。アフリカの開発のためには、企業とNGOのパートナーシップも重要な課題となる。中国との違いを打ち出すためにも、日本の技術力やNGOとの連携による草の根の支援など、日本独自の貢献を伝え、アフリカ各国と協力関係を築いていけるかどうかがTICAD6での鍵となる。
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。