![]() 武田薬品は社員が有給休暇を取得するほどNPO団体の活動を支援することができる制度を設けた。Image credit:ME WE
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武田薬品工業は20日、社員の有給休暇取得率が65%に達した場合、NPO2団体に約100万円ずつ寄付をする制度導入を発表した。寄付金額は取得率の増減によって変動する。社会貢献とつなげることで、社員が有給を取りやすくすることも目的だ。
有給休暇取得の対象となるのは、国内の社員約6800人だ。2015年度の取得率は62.4%だった。同社の吉川愛広報担当は、「有給休暇取得の啓蒙は以前から行ってきて、取得率は2012年の53.9%と比較すると約10%上昇している。今年度は、社会貢献につながるというインセンティブを付加することで、65%達成を目指す」と述べた。
寄付金額は有給休暇取得率65%達成で約100万円となる。だが、取得率に応じて寄付金額が増減するため、社員が有給休暇を取得するほどNPO団体の活動を支援することができる。寄付先となる2団体は、病児保育など育児支援を行う認定NPO法人フローレンスと、子どもの放課後の遊びを支援するNPO法人放課後NPOアフタースクールだ。
「年次有給休暇と連動させる上で、社員が共感するような子どもに関する支援を行う団体を選んだ」と吉川さん。同制度は、今年度から2018年度まで3年間実施する予定だ。
同社では、年間5日以内の「ボランティア休暇」や、公的機関・NGO・NPOなどが主催する社会貢献活動に参加するために最大1年間休業できる「フィランソロピー休職制度」も導入していて、社員の社会貢献活動推進にも努めている。
written by
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。