![]() サティッシュ・バパット社長と高校生たち
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エヌエヌ生命保険(東京・千代田)は13日、高校生を対象に、サティッシュ・バパット社長の半日を体験する教育プログラムを実施した。次世代の経営者育成を目的とした「未来の社長」というCSRプロジェクトの一環だ。同社が協賛するソーシャルビジネス企画コンテストで優勝した高校生2人が参加した。
エヌエヌ生命保険は、中小企業とその経営者を支援するビジネスを展開している。日本の会社は99.7%が中小企業で、3分の2の人々が中小企業で働く。バパット社長は「中小企業が日本のバックボーン。中小の成功が日本社会を豊かにする。だが、中小の経営者は高齢化が進んでいる。日本の未来のためには、新しいリーダーとなる人材を育成することが重要だ」と話す。
CSRプロジェクト「未来の社長」は、高校生がソーシャルビジネスを企画するコンテスト「ソーシャルイノベーション・リレー(SIR)2015」をジュニア・アチーブメント日本と協力し実施している。
2月に行った国内大会には94チーム、344人の高校生がエントリーした。その中から勝ち残ったのは、京都市立堀川高等学校の2年生八幡真由さん、倉田菜奈子さんのチームだ。発展途上国の子どもたちが教育を受けられないことで、貧困の連鎖が起きるという課題に対してビジネスプランを企画し、優勝した。
優勝した2人は、バパット社長に影のごとくついてまわるキャリア教育プログラム「Job Shadow」へ参加した。社内コミュニケーションに関する社長と社員とのミーティングや企画会議などに参加し、社長の仕事を学んだ。
八幡さんは「リスクがあるのは当たり前、どんどん挑戦することが大切だと社長からメッセージをもらい、広い視野をもって選択肢を広げていきたい」と意気込んだ。倉田さんは、社長が言った「人に助けをもらうこと、他の人に頼ることは弱いことではない、という言葉が心に残った」と言う。
2人は今後、日本代表として、6月23日のSIR世界大会に挑戦する。
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。