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宮城県漁業協同組合志津川支所の戸倉事務所が、3月30日にカキ養殖業のASC認証を日本で初めて取得した。サーモンやパンガシウスなど輸入のASC認証品は、既に国内で流通している。今回の取得によって、初めて国産のASC認証品が店頭に並ぶ。
2010年に設立されたASC(水産物養殖管理協会)は、養殖業向けの国際認証制度。認証ラベルは、天然漁業の認証制度であるMSC(海洋管理協議会)と似ているが、基調色は青でなくターコイズ。白字で「責任ある養殖により生産された水産物asc認証」と書かれている。
同認証は、資源保護など環境面だけでなく、養殖場の労働と人権など社会面にも配慮を求めるのが特徴。ASCラベル付き国産カキは、イオン系列101店舗とイトーヨーカドー系列5店舗が、4月2日から販売する。
三方を山に囲まれ、複数の川から栄養が流れ込む志津川湾は、カキの名産地。しかし、津波被災前は過密養殖による生長不良などが問題となっていた。ASC認証取得エリアでは従来の課題も解決し、復旧を超える「復興」が実現した。
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瀬戸内千代(せとうち・ちよ)
海洋ジャーナリスト。雑誌「オルタナ」編集委員、ウェブマガジン「greenz」シニアライター。
1997年筑波大学生物学類卒、理科実験器具メーカーを経て、2007年に環境ライターとして独立。自治体環境局メールマガジン、行政の自然エネルギーポータルサイトの取材記事など担当。2015年、東京都市大学環境学部編著「BLUE EARTH COLLEGE ようこそ、「地球経済大学」へ。」(東急エージェンシー)の編集に協力。