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トヨタ財団は3月1日、トヨタNPOカレッジ「カイケツ」のキックオフシンポジウムを開催し、定員を超える約250人が集まった。「カイケツ」とは、NPO向けにトヨタの組織マネジメント「問題解決」を教える連続講座。シンポジウムには、トヨタ自動車の古谷健夫・業務品質改善部主査やパブリコの山元圭太COOが登壇し、非営利組織がマネジメント能力を高める意義やトヨタの「問題解決」をどう生かすか、などについて議論した。
トヨタ財団は今年5月、トヨタの課題解決能力を非営利組織のマネジメントにも応用し、講座を通してNPOなど非営利組織のマネジメント能力を高めることを目的に、連続講座「カイケツ」を開講する。
キックオフシンポジウムに登壇した非営利組織の運営支援を行うパブリコ(PubliCo)(東京・品川)の山元圭太COOによると、「米国ではリーマンショックを受けNPOへの成果志向が高まっている」と言う。寄付者がより成果を求めるようになったことで、共感だけでなく、成果や社会的インパクトの大きさが寄付集めの際に鍵になるという。日本でも米国同様の転換が起きており、より効果的なマネジメントが必要だと説いた。
トヨタ自動車の古谷健夫・業務品質改善部主査は、「品質管理とはマネジメントである」と解説。一つの問題の背景を突き詰め、改善を目指すことが大切だと言う。課題と目標とのギャップを確認し、克服していくことで、品質を創造していくことが可能になると説明した。
山元COOは、成長できるNPOの特徴として「社会を変える計画があること」を挙げた。社会規模に目を向けることで、周囲を巻き込んだマネジメントを意識でき、改善につながるのだという。また、「非営利組織のマネジメントは、まだあまりノウハウが共有されていない。企業運営と共有する部分もあるが、非営利組織ならではの特徴や難しさもあり、その違いが面白さでもある」とNPO運営のやりがいも語った。
トヨタNPOカレッジ「カイケツ」は、5月から12月までの連続講座で各自持ち寄った問題を解決していく構成。4月14日まで申し込みを受け付ける。