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欧州のサステナビリティ先進企業をヒントに日本企業はマインドセットのチェンジを――山口周氏とPwC磯貝友紀氏の解説動画を配信

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PwC Japanグループ(Sponsored)
山口周氏(左)と磯貝友紀氏が、欧州のサステナビリティ先進企業を視察した感想を通して日本企業へのメッセージを伝える動画のタイトル

サステナビリティと経営の統合を通して、自社の成長を加速させるためのヒントを日本企業につかんでもらおうと、PwC Japanグループが、デンマークとオランダの8つの先進企業・団体を視察し、彼らが何を見据え、どのような姿勢でサステナビリティに向き合っているのかをまとめた動画シリーズを配信している。タイトルは、「山口周・磯貝友紀と探る欧州のサステナビリティ企業 成長の鍵」。同グループのサステナビリティ・センター・オブ・エクセレンスのリード・パートナーを務める磯貝友紀氏と、著述家の山口周氏がタッグを組み、企業ごとのポイントと、そこから読み取れる日本企業へのメッセージを鋭い言葉で伝えているのが特徴だ。

多様な企業の先進的な取り組みについて聞くだけではなく、サステナビリティを推進し、それを収益につなげていくためにどのような苦労があり、どんな工夫をしているのかを聞きだす。

上記は動画の冒頭で磯貝氏が語る、このツアーの目的だ。磯貝氏は、日本企業のサステナビリティ戦略の策定や、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の推進、途上国における社会課題解決型ビジネス支援などを通じて豊富な経験と知見を有する、この分野におけるプロフェッショナルである。ツアーはPwC Japanグループがクライアント企業数社とともに、2023年5月に実施。著述家であり、パブリックスピーカーとして活動する山口周氏が同行した。

山口氏は、哲学的視点のビジネス書も多く手がけ、物事を俯瞰(ふかん)的に捉えることによって、そこにある構造的な課題を抽出することで読者を惹(ひ)きつけている。動画は、各企業の視察時のプレゼンテーションと、それを見た両氏の掛け合いによるトークを1社ごとにまとめたもので、視聴すれば欧州のサステナビリティ先進企業から日本企業が何を学ぶべきなのかがよく分かる内容になっている。

視察先は1)SPACE10(スペーステン)、2)NREP(エヌレップ)、3)A.P.Moller-Maersk(エーピー・モラー・マースク)、4)Holland Circular Hotspot(ホランド・サーキュラー・ホットスポット)、5)ING(アイエヌジー)、6)Phillips(フィリップス)、7)Heineken(ハイネケン)、8)Hogeweyk(ホグウェイ)の8つの企業および団体。

本記事では上記のうち、SPACE10、NREP、A.P.Moller-Maersk、Holland Circular Hotspot の動画の内容に沿って、各企業の取り組みと、磯貝・山口両氏によるトークを抜粋して紹介する。

1、新領域に飛び込むことで真のイノベーションは創出される―SPACE10―

デンマーク・コペンハーゲンのSPACE10は家具製造販売のIKEAとの協力関係の下、2023年8月まで活動を続けた研究・デザインのイノベーションラボだ。「当初の目的は達成した」として活動は終了しているが、“未来のファストフード”と称した植物由来のミートボールや輸送コンテナを利用した住宅など、同社が手掛けたあらゆる分野のアイデアやプロジェクトは未来へのヒントとなり、世界中で受け継がれている。

ここでの話は、「イノベーションはいかに生み出されるのか」というテーマで進み、創業者の一人でStrategy Directorを務めたGuillaume Charny-Brunet氏は、その強みを「飛躍的なイノベーションを起こせる分野を探し当て、新しい可能性と市場に焦点を据えることにある」と説明した。建築や食品、生成AIなど、「IKEAの通常の事業範囲を超えた新領域に取り組むことでIKEAのビジョンを満たしつつ、これまでとは異なった手法を生み出せると信じて取り組んできた」という。

Brunet氏はそれらのプロジェクトの特徴として「死亡率(失敗する確率)が高いこと」を挙げた上で、「それは当たり前で、イノベーションのための挑戦だ」と言い切る。既存のビジネスの外で生まれたアイデアを実装するに当たって最も難しいのは、IKEAのような大企業の中に組み込むことであり、「起こっている変化を整理し、マネジメントすること」が最も重要だ。

【山口・磯貝両氏の視点】

トライしない方がコストが高い。挑戦して失敗することへの評価が変わる

山口 印象的だったのは、「プロジェクトの死亡率が非常に高い」という言葉。つまり、うまくいくものは滅多にないということ。彼らにとってはトライしないコストの方が高い。そうすると、挑戦して失敗することの人事評価が変わってくるわけですよ。

磯貝 失敗を恐れずにやってみる、100点を取らなくてもいい。それは欧州の先進企業のすべてに共通しているように思う。

山口 戦略の中に、サステナビリティが入ると現状の延長線上には描けないし、いろんな新しいことをやらなくちゃいけない。それをドライブしようと思ったら、今の人事制度の、失敗した人から順に脱落していくのではなくて、新しいことをやり続けている人が評価されないというのは変えざるを得ない。採用のあり方や評価のあり方、配置とか。だからやっぱりコーポレートトランスフォーメーションなんですよ、SXは。

2、強い信念を持って業界の先頭を歩み続ける―NREP―

次に紹介するのは、コペンハーゲンを拠点に、住宅や介護などのコミュニティ施設や物流センター、オフィスビルなどの開発を行うNREPだ。SDGsの17目標のうち「健康・福祉」「コミュニティ」「マテリアル」「生物多様性」「水」「エネルギー」の6つについて、不動産プロジェクトを通して建物に組み込む活動を行っており、課題を解決する取り組みを具体化することに力を入れている。

例えば、建物内に多くの共有スペースをとった共同住宅は、「携帯電話は見ているが、実際には孤独を感じている人がたくさんいる」という現代の問題に真正面から切り込んだものだ。また、通常は5〜10年後には再売却されることが多い建物を持続可能なものとするため、環境配慮型のコンクリートを量産できる体制を整え、通常のコンクリートと同じ品質とコストで提供できるようにした。

さらに、同社は不動産や建設を手がけるにとどまらない。「進化・拡大するテクノロジーを理解し、持続可能なビジネスを実現するためにはベンチャー キャピタル部門も必要だ」という考えから、複数のファンドを有するファンドマネージャーでもある。

同社のHead of Urban Strategy & Designを務めるJesse Shapins 氏は、「企業に持続可能な利益をもたらすのはカルチャーと人材だ」と強調。「強い信念に基づき、合理的で経済性を備えた事業には、社会の点と点を結びつけ、人々の文化を形成する能力がある」とも語り、同社がそうした存在であることを印象付けた。

【山口・磯貝両氏の視点】

日本企業は、順番が違う。なぜプロデューサーが出てこないのか

山口 彼らは日本の言葉でいうと、“ディベロッパー”が近いけれども、ただ単に建物を建てるのではなくて、そこのエリアを通じてウェルビーイングやサステナビリティを実現していく、ヒューマニティを回復させるということを言っている。テクニカルなノウハウと、良いコミュニティとは何かといった、非常に抽象度の高い議論の両方を人に説得できる能力がある。建築家という立場で、素材の会社だったり建設会社や金融機関を束ねている。

磯貝 サステナビリティは今後、本当に大きく産業構造を変えていくことになる。今までと違う新しい構造になっていかなくちゃいけない中で、誰が最初にその構造をつくるか。それをコーディネートしてつなげていくのは誰なのか。そこがやっぱり日本はすごく遅れてしまっている。

山口 要するに日本企業には、プロデューサー(の役割を果たす人)がいない。

磯貝 今回、欧州で見た会社、皆プロデューサーが誰かいて、いろんなパートナーをプロデュースしている。日本でこういう話をすると、『いや、政府がロードマップを書いてほしい』と言われるけど、『違う。順番が』って思う。日本はなんでプロデューサーが出てこないのか。

3、サプライチェーン全体を巻き込む先駆者となる―A.P.Moller-Maersk―

コペンハーゲンを中心に、130カ国に拠点を置くA.P.Moller-Maerskでは、業界全体の脱炭素に対する目標を引き上げるため、サプライチェーン全体を巻き込む先駆者となるべく努力してきたストーリーが語られた。

Maerskと言えば世界最大のコンテナ海運会社だけに温室効果ガス排出量も桁違いに多く、全世界で年間約7800万トンを排出している。だからこそ、2018年に船舶業界で初めてネットゼロの目標を立てた時のことを、同社のDirector/Head of Corporate Sustainability/ESG を務めるLene Bjorn Serpa氏は、「目標が本当に達成できるか不安もあり、ムーンショットのようなものだと感じていた」と振り返る。

それでも同社が目標を加速させて2040年までのネットゼロを掲げ、市場や規制当局の脱炭素化を推進し、顧客にサポートを促し、サプライヤーに協力を求めるなどステークホルダー全体に働きかけているのは、業界全体の要件を引き上げるためだ。

さらに、リーディングカンパニーとして船舶のリサイクルにも新たに取り組む。これを端緒にグリーンスチールに関してもいくつかのパートナーシップを締結し、自動車メーカーなど鉄鋼のリサイクルを必要とするクライアントへの運用を開始しているところだという。

【山口・磯貝両氏の視点】

視野が臨界に達すると状況は真逆に転じる

山口 Maerskってバリューチェーンの1つ下側にいる。自分たちの顧客である企業が、ある要件を満たさないとディストリビューションの会社として使わないと言い出した。商売のシステムもこれに似てるところがあって、Maerskにとっての上流顧客が30社あるとして1、2社がそういうことを言い出してもあまり変わらない。ところが、それがどんどん増え、視野が臨界に達した時に、バタンと真逆に動く。ティッピングポイントを超えた瞬間に総転移が起こる。

磯貝 私もこの仕事を10年やっていますが、そういうことは何度かあった。またもうすぐもっと大きな波が来るのかもしれない。

4、サーキュラーエコノミーは社会課題の解決策となり得る―Holland Circular Hotspot―

海抜マイナス3.5メートルのオランダは汚染の影響を受けやすく、中世以来、人々は都市を住みやすく、経済を存続させるために「協力的で革新的であるというDNA」を育んできた。Holland Circular Hotspotは、そのオランダで、サーキュラーエコノミーに関する国際協力の推進や、ナレッジの共有を支援する官民プラットフォームだ。

Holland Circular HotspotのCEOを務めるFreek Van Eijk 氏は、「通常、モノの寿命が終わると、その価値は最も低くなり、環境への負荷が生じる」とした上で、「私たちが実行しようとしているのは、モノを再利用したり共有したりすることで、可能な限りの最高のレベルで価値を保持することだ」と説明する。

価値を保つには「バリューチェーンに新しいプロセスを追加する必要がある」という。つまり、小売りや組み立て、製造や材料の価値から、改めて考え直さなくてはならないということであり、当然に初期コストはかかる。しかしEijk 氏は「総コストを考慮すると、サーキュラーエコノミーのアプローチの方が常に優れている」と断言し、こう続けた。

「例えば水循環システムと太陽光発電の設備のある建物では、初期コストは高くなるが、運用コストは節約できる。もしその建物が再建築を考慮して設計されている場合、20%の残存価値があり、それを考慮に入れると、突如として、初期投資は全て相殺される。実際、サーキュラーエコノミーはコストではなく、社会課題の解決策となり得る」

【山口・磯貝両氏の視点】

時間軸を伸ばさない限り、儲かることが視野に入ってこない

山口 要するにサーキュラーエコノミーだとコストが上がるんじゃないかということに対して、「時間軸を長く取れば必ずこっちの方が得なんだ」ということ。いかに時間軸を変えるか。

磯貝 以前、日本の大企業と共にアフリカに行き、現地の人たちがやりたいサステナブルビジネスを支援するという仕事が多くあったが、日本に帰ったら、それがうまくいかない。なぜ実現しないのかを考えたら、日本企業は、3〜5年の中期経営計画の積み重ねなので、どうしてもサステナブルビジネスが、日本のビジネスの戦略やスタンスに合わないと気づいた。まさに時間軸を伸ばさない限り、儲(もう)かることが視野に入ってこない。

山口 短期で勝とうとすると、どんどん状況が悪くなる。戦略論の一つの基本だが、ゲームの流れを変えたかったら時間軸の取り方を変えろっていうのはすごく面白い。

磯貝 やり始めてから立ち上がるまで7年、8年、10年はかかるから今やらなかったら間に合わない。そしてやらなかったら、やらなかった時のコストの方が高い、だから今やると言われていたが、本当にそういう視点でサステナビリティは経営の戦略のど真ん中に入りつつある。

欧州のサステナビリティ先進企業の考え方と行動が、深い知見に基づいた説得力ある言葉で語られるPwCの動画シリーズ。今回紹介した4つの事例の他にも、オランダ最大手の金融機関であるINGや電気機器関連メーカーのPhillips、ビール会社のHeineken、認知症の高齢者のための先駆的なケア施設を運営するHogeweykの動画も配信されている。

サステナビリティと経営の統合を検討している方にはぜひ視聴していただき、その実現に向けてのヒントをつかんでもらいたい。

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PwC Japanグループは「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことをPurpose(存在意義)としています。複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。
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