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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

『SDGs白書』事実から日本の現在地を提示し、未来を示す羅針盤

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「xSDG・ラボ」が、『SDGs白書2019』を刊行しました。「取り組み本格始動宣言」というメッセージとともに、独自の指標と専門家の寄稿を掲載し、日本におけるSDGsの現在地と目指すべき場所、歩むべき道筋を具体的に示す日本初の白書となっています。発行以来の反響も高く、白書のような本にはめずらしく出版社のランキングでも上位に顔を出しました。

SDGsは持続可能な世界の実現に向けた17のゴールと169のターゲットを掲げています。現在、企業がビジネス課題として関心を高めているとともに、生活者、NPO/NGO、自治体、行政機関など、さまざまな分野の人たちが一丸となって社会課題に取り組むための枠組みとしても急速に注目を集めています。

政府や企業の努力もあり、日本でもSDGsは浸透しつつありますが、2019年に実施された複数の認知度調査で30%前後というデータが示す通り、一般的な認知度はまだまだ高いとはいえません。

『SDGs白書2019』は前段で、SDGsの17のゴールそれぞれについて、「今世界で何が起きていて何が課題となるのか、日本ではどうなのか」を具体的なケーススタディとデータとともにわかりやすく解説するページを設けており、SDGsの基本的な理解を促進する上でも役立つ構成となっています。たとえば、ゴール1「貧困をなくそう」では「世界で7億3600万人が極度の貧困状態にある」ことと併せて「日本では子どもの7人に1人が貧困」という国内課題を例示。さらにゴール3「すべての人の健康と福祉を」では「健康寿命の延伸、うつ病や生活習などの改善、介護・保健制度の維持」、ゴール8「働きがいも成長も」では「長時間労働、パワーハラスメント」、ゴール14「海の豊かさを守ろう」では「サンゴの白化、プラスチックごみ問題、漁業問題」など、日本社会を取り巻く課題が一読してわかるようになっています。

白書の第1部では、SDGsの成り立ちとともに、国連、各省庁、自治体、企業、市民、若者など、多様なセクターにおける取り組みと活動の視点を、有識者の寄稿をもとにまとめています。さらに、ESG投資のムーブメントや金融機関によるSDGsへの取り組み、マイクロプラスチック汚染問題など、さまざまな視点からの解説が試みられています。日本のSDGsの状況が豊富なデータとケーススタディによって客観的に裏付けされ、立体的かつリアルに理解することが可能となっています。

白書のハイライトは、第2部「SDGsの指標」です。ここではSDGsの進捗を測るための日本のローカル指標が多様な統計資料によって示されています。ローカライズは世界各国・地域で進んでいますが、本白書では、内閣府の自治体SDGs推進・評価検討会<自治体SDGs推進のためのローカル指標検討WG>が作成した『地方創生SDGsローカル指標リスト』をもとに主要な指標を掲載しています。ゴール1「貧困をなくそう」では「年収100万円未満の世帯数の推移」、ゴール2「飢餓をゼロに」では「栄養失調・ビタミン欠乏症による入院患者数」、ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」では「配偶者からの暴力相談件数」「上場企業の役員に占める女性の割合」「家事に従事する人の割合」、ゴール7「エネルギーをみんなに、クリーンに」では「新エネルギー発電の割合」など、合計で120以上の指標が経年データで記載されています。これらの情報は、さまざまなセクターがSDGsに取り組む際に、具体的なガイドとなりうるものと考えられます。

また本白書は、電子書籍とPOD(オンデマンド印刷)を組み合わせたデジタルファーストの制作・流通を導入し、資源を無駄にしないサステナブルな出版を実現するプラットフォームを活用して発行されており、情報発信の新しい形としても注目されています。さらに、2020年には英語版を発行し、 国際社会に対して日本の状況を発信。日本におけるSDGs取り組み推進の起爆剤となりうる、大きな可能性を持ったチャレンジとなっています。

『SDGs白書2019』
https://nextpublishing.jp/isbn/9784844378242
編者:慶應義塾大学 SFC研究所 xSDG・ラボ

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