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転職理由「給与に不満」が年々増加:英人材大手調査

グローバルな人材サービスを提供するヘイズ(本社・英国)は、アジア5カ国・地域の企業と従業員を対象に雇用の実態調査を行った。日本企業の2017年の昇給率は2016年に対して中国、香港、シンガポールを下回り、給与を理由とする転職が年々増加していることがわかった。「年功序列の評価制度が不満の原因。従業員が定着しないと日本全体の生産性の低下につながる」と同社マネージングディレクターのマーク・ブラジ氏は指摘する。(松島 香織)

「勤続年数ではなく、成果に基づく透明性を持った評価を」とヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンのブラジ氏(2月9日、都内にて)

ヘイズは中国、香港、シンガポール、マレーシアと日本のアジア5カ国・地域の3000社を超える企業と600万人以上の従業員を対象に雇用実態を調査し「2018ヘイズ アジア給与ガイド」を発表した。2008年から毎年実施しており、今回で11回目となる。雇用側には給与や残業、ダイバーシティへの取り組み、従業人には転職に対する考えやワークバランスについてなど質問している。

日本での2017年の昇給率は、「3%以下」が最も多く59%、「3-6%」が16%、「6%以上」が12%、「昇給なし」は13%だった。5カ国・地域の全体では、「3%以下」は27%、「3-6%」が40%と最も多く、「6%以上」が24%、「昇給なし」は9%という結果だった。昇給率「6%以上」について国別に見ると、中国は45%、マレーシアは29%と、日本を大きく上回っている。

転職の理由について、アジア5カ国・地域全体の61%が「給与/福利厚生」を挙げている。現在の給与に満足しているか、という設問に対し、「はい」と答えたのは43%で半数に満たない。給与への不満が、転職につながる可能性が高いことがわかる。

特に日本では、「給与/福利厚生」を転職の理由としたのは2016年に37%だったが、2017年では49%、2018年では57%と年々増加傾向にある。その原因を同社は、日本で根強く残る終身雇用制度や年功序列に対する不公平感にあると分析している。

高齢者は増加傾向にあるが生産年齢層が減少する日本では、従業員との雇用に関する考え方のギャップを把握し、人材流失にいち早く取り組む必要がある。「離職者の穴を埋めるために、新人を育成するにはコストがかかる。給与はコストではなく、投資だと考えるべき」とブラジ氏は話した。

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松島 香織 (まつしま・かおり)

株式会社オルタナ 特約記者。
企業のCSRや広報・IR部署を経て、SDGs、働き方改革(ダイバーシティ)、地方創生などをテーマに取材中。