SUSTAINABLE BRANDS JAPAN のサイトです。ページの先頭です。

SUSTAINABLE BRANDS JAPAN のサイト

ブランド・イノベーターのためのESG情報サイト 「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

「グッド・ライフ」がブランドの選択基準に――サステナブル・ブランド国際会議2018東京

「サステナブル・ブランド国際会議2018東京」の初日は多くの来場者でにぎわった

「サステナブル・ブランド国際会議2018東京」(SB 2018 Tokyo)が初日の3月1日、ヒルトン東京お台場(東京・港)で開かれた。SBはサステナビリティ(持続可能性)とブランド戦略の統合をテーマに2006年に米カリフォルニア州で生まれ、世界11カ国12都市で開催されている。今年度の世界共通テーマは「グッド・ライフの再定義」。グッド・ライフとは何か、ブランドはどう生活者のグッド・ライフに貢献できるのかなどについて議論された。

「障がい」を「価値」に変える

ミライロの垣内俊哉代表(撮影・福地波宇郎)

「生きることを何度もあきらめようとした。生まれたことを不幸に思っていた。けれど、視点を変えると少しずつ変わっていった」

障がい(バリア)をバリュー(価値)にする「バリアバリュー」を企業理念に掲げるミライロ(大阪市)の垣内俊哉代表は、会議の冒頭で語った。「骨が弱く折れやすい魔法にかけられ」(垣内代表)、これまでに骨折を20回以上、手術を10数回経験してきたという。

「学校、運動会、修学旅行に行けない。障がいがなかったら、普通だったら――。足で歩けるようになることをずっと願ってきた」(垣内代表)

大学生時代、ウェブの制作会社でアルバイトをしたところ、営業成績が一番になった。垣内代表は「車いすに乗っていることで、多くの人に覚えてもらえた。見方を変えれば、障がいは価値に変えられる。日本だからこそ世界をリードする取り組みを進めていきたい」と力強い。ミライロでは、ユニバーサルデザインの企画・設計のほか、ユニバーサルマナー検定などを展開している。

「利益三分主義」で社会を持続的に

サントリーホールディングスの新浪剛史社長

SB 2018 Tokyoは、国内外から143人の企業トップや専門家が集まり、2日間で50以上のセッションが開かれる。日本での開催は2回目だ。

基調講演に登壇したサントリーホールディングスの新浪剛史社長は、「企業は絶対に利益を上げなければいけない。しかし、社会が健全でなければ生き抜いていけない」とサステナビリティへの取り組みの重要性を語った。

創業者・鳥井信治郎の「利益三分主義」の精神を紹介しながら、「利益を社会に還元するなど、企業は社会とともに歩まなければいけない」と話した。

これからの「グッド・ライフ」とは

セッション「日本でも始まった『Good Life2.0』の潮流とは?」で

SBの世界共通テーマになっている「グッド・ライフ」は、これまでの「モノの豊かさ」だけでなく、家族との絆、社会とのかかわりを重要視する傾向に変化してきている。

SB国際会議を主宰するサステナブル・ライフ・メディアのコーアン・スカジニアCEOは「グッド・ライフはブランドと生活者、社会との関係性を築くことである」と説明。SB 2018 Tokyoの森摂プロデューサーは「消費者がこれからブランドを選ぶときに、品質、サービスとともに社会性がブランドを選ぶ第3の選択基準になる」と話した。

午後に開催されたセッション「日本でも始まった『Good Life2.0』の潮流とは?」では、SB 2018 Tokyoを運営する博展とインテージが実施したグッド・ライフ意識調査の結果が発表された。SBでは、米国、タイでも同様の調査を行っている。

その結果、企業の社会的評価を高めるために重要なこととして、「地球環境に配慮した製品づくりや販売」が最も多く、19.2%が「とても重要である」、47.3%が「重要である」、と答えた。

「グッド・ライフを送るために重視する項目」では、「健康」で「シンプル」な日常の幸せへの重視度が見て取れた。エピソードや写真からは、「人とのつながり」といったキーワードも浮かび上がってきたという。一方で「グッド・ライフを送っている」と答えたのは全体の11%にとどまった。

このほか、初日には、国連が2015年9月に採択したSDGs(持続可能な開発目標)、ESG投資、サステナビリティ経営などをテーマにセッションが展開された。

特別企画「グリーン・オーシャン大賞」審査会・表彰式では、大賞にラッシュジャパン(神奈川県愛川町)の「南相馬菜の花プロジェクト」、環境大臣賞に山城萱葺(京都府城陽市)の「住民協働による里山保全活動の茅の調達」が選ばれた。

◆2日目のレポート「「サステナビリティを軸に多様な50超のセッション」

吉田 広子 (よしだ・ひろこ)

株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナ副編集長
大学卒業後、ロータリー財団国際親善奨学生として米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。2007年10月に株式会社オルタナに入社、2011年から現職。

「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。運営。