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オムロン、ESGの柱にすえるリスクマネジメント

オムロンは昨年末、機関投資家向けのESG説明会を都内で開いた。この中で、リスクマネジメントを統括する玉置秀司・法務本部長は「人的リスクがリーガルリスクにつながる」「人事、生産、財務の活動を統合することが必要だ」と、ひとつの分野だけで完結しない同社の総合的な経営方針を説明した。約3万6000人の従業員を抱える巨大なグローバル企業は、社内外のマネジメントをどのように捉えているのか。(オルタナ編集部=沖本啓一)

オムロンがこの日開催した説明会では、経営方針の柱のうち「ものづくりの取り組み」「企業理念の実践と人財マネジメント」「リスクマネジメント」について、それぞれを統括する役員から解説された。同社の企業理念の実践や包括的なサステナビリティへの考え方は、本サイト「サステナブル・オフィサーズ」にて立石文雄会長が核心を語っているので、今回は割愛する。

「リスクは単独ではない」

「グローバルに企業が発展していくと同時に、企業がより多くのリスクに直面しながら事業活動を進めてきた」こう話すのは玉置秀司・執行役員グローバルリスクマネジメント・法務本部長。オムロンが想定・把握している事業上のリスクは多岐に渡るが、大きくわけて4つに分類される。

ひとつはマクロ経済の悪化や景気変動といった外部環境のリスク、2つめは幹部などの人財の確保など人的リスクと、ブランドの侵害や、独占禁止法違反などのリーガルリスクを合わせた経営、事業戦略、財務上のリスク、3つ目は自然災害等のリスク、4つめが情報漏えいなどのリソース・インフラリスクだ。これらが相互に原因や結果となり、経営成績・財務状況への影響につながる。

玉置本部長は「リスクは単独であるのではなく、相互に関連している。これらに対応するために、マネジメントもグローバルに統合しなければならない」と話す。

リスクマネジメントをしないのは目隠しで全力疾走するようなもの

オムロンではVG2020と呼ばれる長期ビジョンの開始と同時にリスクマネジメントの活動を始動し、トップを交えた議論を重ねた。この議論の中では「環境変化のスピードが上がり、不確実性が高くなっている。リスクの感度を上げて、芽のうち察知し、手を打つ必要がある」「リスクマネジメントをしないのは、目隠しをして全速力で走れと言われているようなもの」「強い企業になるために変化対応力が必須」といった、トップの声があったという。

議論の結果、単にリスクに対応するのではなく「オムロンらしいリスクマネジメント」が必要だと考えた。そのひとつの姿が「結合グローバルリスクマネジメント」だ。

グループ経営にリスクマネジメントを結合し、共通の枠組みでグループ内のリスクマネジメントを結合する。さらにグループ内でグローバルのリスク情報を結合、事業現場にリスクマネジメントを組み込む。

これにより「環境変化から生じる、現場の手に負えない問題も、チャレンジする現場と経営が力を合わせて解決することができる」(玉置本部長)。前回のインタビューでも聞かれた「オムロンらしい」姿勢が明確となったリスクマネジメント体制が、会社の強みとして具体化している。

現在は年間のPDCAサイクルを確立し、具体的に災害対応、企業倫理の浸透、オムロングループルール制定等の活動を通じ、重要リスクへの対応をしているという。

沖本 啓一(おきもと・けいいち)

フリーランスライター。
主にエンタメ記事・食レポなどを執筆していたが、サステナビリティ関連に興味を持ち、サステナブル・ブランド ジャパン編集局に関わる。CSR検定3級を満点で合格。
好きな食べ物は鯖の味噌煮。