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サステナブル・ブランドの作り方

第17回:ネスプレッソの選択とその意味とは (上)

SB-J コラムニスト・足立 直樹

ネスプレッソは何を選択したのか

こんにちは、サステナブルビジネス・プロデューサーの足立です。久しぶりの記事となりましたが、今回は私がとても驚いた映像をご紹介したいと思います。

渋い二枚目俳優として人気があるジョージ・クルーニーは、実は社会活動に大変熱心であることをご存じでしょうか?

ゲイの権利を支持していることから始まり、災害被災地の支援などは序の口で、ダルフール紛争解決のためには関係地へ自分の足を運ぶだけでなく、政治家に直接メッセージを送ったり、果ては抗議活動に参加して逮捕されたり(!)もしています。

女性関係では数々の浮き名を流し、もう結婚はしないと宣言しながらも、少し前に人権活動家の女性弁護士と結婚しています。夫婦で社会活動家というわけですね。

さて、そのジョージ・クルーニーが関わる広告が今から半年ほど前、山手線の中で流れていたのにお気付きだったでしょうか。とは言っても、ジョージ・クルーニーが担当したのはナレーションなので、電車内の無音の映像ではわからなかったと思いますが…

見逃した方、覚えていない方、そして彼の渋いナレーションを聞きたい方は、以下をじっくりご覧ください。

ネスプレッソ 私たちの選択
(日本語字幕が出ない場合には、設定で字幕の言語を日本語を選んでください)

今回のテーマはこの「私たちの選択」なのですが、それはこの映像の中でクルーニーが語っているように、まずはコーヒーの農家を支援するというネスプレッソの選択であり、そしてそのようにして作られたネスプレッソを選んでねという私たち消費者の選択のダブルミーニングです。それにしても最後の「思うに私たちは、自分がどんな選択をしたか、それで決まるんじゃないかな?(I guess we are the choices we make, aren’t we?)」というセリフ、カッコいいですね。

それにしても、なぜネスプレッソがこのような取り組みをすることが必要なのか、ちょっと疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。そのことを理解するためには、コーヒー豆栽培の実態を知る必要があります。

ご存知のようにコーヒーは熱帯域で栽培されます。価格は国際市場で決まり大きく変動しがちなため、農家の方は収穫するまできちんと利益が上がるがどうか分かりません。というかそもそも、間に入るブローカーが市場価格に見合った適正な価格を農家に支払っていない場合も少なくないのです。

加えて、適切な知識を持たないために生産量が上がらなかったり、良い品質の豆を作れないこともあります。けれど、だからといって肥料や農薬を過剰に使えば、環境にも、働く人にも、そして経営的にも問題となってしまいます。

一方でコーヒーベルトと呼ばれるコーヒー栽培に適した地帯は、生物多様性が豊かな地域でもあるので、そこで適切な配慮をした農業を行い、なるべく新たに畑の面積を広げないことは環境保全の観点からも重要です。

ですから農家を支援することはとても意味があることなのです。しかし、それにしてもなぜ、コーヒーメーカーを販売するネスプレッソがそこまでする必要があるのでしょうか?

後半につづく

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足立 直樹
足立 直樹 (あだち・なおき)

サステナブル・ビジネス・プロデューサー。株式会社レスポンスアビリティ代表取締役。一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ理事・事務局長。東京大学・同大学院で生態学を学び、博士(理学)。国立環境研究所とマレーシア国立森林研究所(FRIM)で熱帯林の研究に従事した後、独立。2006年にレスポンスアビリティを設立し現在に至る。2008年からは企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)事務局長も兼務。

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