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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Brands, PBC)

啓蒙活動を任せることで、ミレニアル世代を取り込む

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ロレーヌ・シュハルト
Image credit:Cone Communications

6月初旬、カナダ・バンクーバーで行われた、サステナブル・ブランド本会議では、企業におけるミレニアル世代・Z世代へのアプローチについても話し合われた。(翻訳=クローディアー真理)

25もの世界有名ブランドと活動を共にするネット・インパクトのリズ・モー最高経営責任者は、この2つの世代について知っておくべき点を発表した。ネット・インパクトは、会員の学生や職業人がスキルを生かし、社会・環境問題に取り組む非営利組織だ。

ミレニアル世代・Z世代は、
1.物事を自分のことと捉えさせれば、取り込むことができる顧客層であること
2.企業が想定する以外の人からの影響を強く受ける可能性があること
3.企業に、独自のゆるぎない姿勢と強い発言力以上の行動を起こすことを期待していること

「ウェア・イット・ワイズ」はネット・インパクトの世界規模キャンペーンだ。リーバイ・ストラウス基金と、米国のサステナブル・ブランド、アイリーン・フィッシャーが支援する。消費者の購買習慣に根本的な変革をもたらすことが目的。衣料を買う際、消費者に環境・倫理面で正しい選択を促す方法を次世代から募集、選ばれた人は在住コミュニティで提案を形にし、啓蒙活動を行った。

シーザーズ・エンターテインメントの、グウェン・ミギタ サステナビリティ&コーポレートシチズンシップ副部長は、企業は人種間平等に対して投資を行った上で、ダイバーシティとインクルージョンのためのプログラムを実施すべきとする。

同社はそれを追求するためのキャンペーンを実施。「契約社員にも社員同様の福利厚生を提供」「人種間平等をもたらすプログラムへの出資」「人種的マイノリティへの直接投資」「複数の企業が集まり、人種間の不平等を解決するための策を共に練るためのプラットフォームの設立」の4つの案が入選した。(※注)

一方、ジャクソン・ファミリー・ワインズは、主要顧客ターゲットをベビーブーマーから、ミレニアル世代に移行する必要性を認識している。移行を順調に進めるためにやらなくてはならないこととして、ジュリアン・ジャーヴロー サステナビリティ部門責任者は次の3つを掲げる。

1.サステナブルなメッセージをミレニアル世代へどのように届けるかを、幅広く解析すること
2.マーケティング計画を練ること
3.販売時に、サステナビリティをどのような位置づけでアピールすればいいかの助言を得ること

同社のワインの1つ、ケンダル・ジャクソン・シャルドネでは関連するコンペを開催している。まず、40の大学生チームが、ターゲットの移行についての有効策を提示。選ばれた14チームが、100万USドル(約1億円)という架空の予算を用いた方策を提案書にして提出した。役員が立ち会う最終選考で勝者が決まり、ジョージ・ワシントン大学チームの2人にインターンシップが与えられた。

これらのプログラムは、企業が抱えるブランドに直接プラスの影響を与えるのはもちろん、企業がどのようにミレニアル世代を取り込んでいるかも示している。

※注:シーザーズ・エンターテインメントのキャンペーンは、「レイシャル・ジャスティス・イン・コーポレート・アメリカ・チャレンジ」と呼ばれ、ネット・インパクトの協力の下行われた。チームでアイデアを競うもので、18歳以上の大学生、大学院生、職業人と、ミレニアル世代・Z世代を対象としている。