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CFOにサステナビリティの重要性を理解してもらうには

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米サステナブル・ブランド編集部

6月4-7日にカナダで開催されたSBバンクーバー2018には、サステナビリティ界の重鎮ボブ・ウィラード氏が登壇した。IBMカナダの重役も務めた経験のある同氏は、多くのサステナビリティ担当者の最も悩ましい問題について講演した。どうやってCEOやCFOをサステナビリティに向き合わせるかだ。ウィラード氏は緑の建築(グリーン・ビルディング)を題材に説明した。(翻訳=梅原洋陽)

ウィラード氏はまず、一般的な製品とサステナブル製品の価格差について紹介した。グリーン・ビルディングの価格はかなり下がってきている。アメリカで、LEED認証(建築物の環境性能を評価する認証制度)を受けたグリーン・ビルディングの建築にかかる費用は2〜5%通常より多いぐらいで、場合によってはもっと少ないこともある。

その後、少人数のグループに分かれて、「サステナブルなビルを選択すべき理由をCFOにプレゼンするとしたら、最も説得力がある3つのポイントは何か」というテーマで議論した。優秀なグループは、さまざまなアイデアが直ぐに浮かんだ。維持費の軽減、税制優遇の可能性、低い金利、高いリースと再販価値、そしておそらくワークプレイスの観点から、従業員の生産性や採用、定着にも役立つだろうと考えた。

しかし、ウィラード氏の解説は驚くべきものだった。それは、従業員の生産性は収益に正確に換算でき、実はこの点こそが一番のアピールポイントだというからだ。生産性の価値は他のすべての要素で節約できた部分の合計よりもはるかに大きいという。

革新的な研究結果は重要だが、それだけでは不十分だ。このデータをどうやって有効活用するかだ。ウィラード氏はすでに組織の中にある一連の流れを大切にしながら、人間関係を上手に活用して進めることが秘訣だと伝えた。

目指すゴールは、マネージメントチームと協働で、あなたが考えるサステナビリティの取り組みが短期的、そして長期的にどれだけの価値を生み出すかの事例をつくることだ。例えば、インフラを整備するプロジェクトならば、資金的な決断時に引き合いに出る、資本的支出のフォームに詳しくなることだ。

ウィラード氏が考案した「改良版資本的支出フォーム」はサステナビリティの項目を含み、項目ごとに重みをつけることができる。CFOがそれぞれの項目に重みをつけ、判断できるようにすれば良いと同士は提案している。このフォームはウィラード氏のウェブサイトで無料でダウンロード( https://sustainabilityadvantage.com/books-dvds/roi-workbook/ )が可能だ。