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NFLとペプシコ、スーパーボウルでゴミゼロを目指す

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リビー・マッカーシー
Image Credit: Rush2Recycle

NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)は第52回スーパーボウルのゴミ排出を0にするため、ペプシコ、アラマーク、USバンク・スタジアム、ミネソタスポーツ施設局と協力関係を結んだ。スーパーボウルが開催される2月4日に、スタジアムから排出されるゴミの90%以上(40トン以上)をリサイクルするRush2Recycleという計画を開始する。この計画は、USバンク・スタジアムでレガシーを作り、様々なスポーツの大会やその他のスポーツチーム、大会運営者やファンがゴミの抑制を意識し始めるように仕向けるといった目的もある。(翻訳:梅原 洋陽)

2017年6月以来、USバンク・スタジアムのパートナーはスタジアムの埋立てごみ転換率を約55%上昇させ、2018年1月までに83%の最高値に達した。数カ月間の準備期間を経て、ゲームの日のゴールを90%に設定し、ゴミのリサイクルと堆肥化を最大化する。

この計画の成功を確実にするため、スタジアムとそのパートナーはゴミを3種類に分別する回収システムや専用の有機コンパクター(圧縮機)を導入し、ゲーム後の廃棄物の詳細な仕分けを実施する計画だ。

「消費者はサステナビリティや廃棄物、リサイクルというトピックに関心を持っていますが、リサイクルや廃棄物管理に関する情報は不明確で技術的な部分もあり、消費者にとって必ずしも分かりやすいものではありません。USバンク・スタジアムとリサイクル・アクロス・アメリカが連携し、スタジアム内の何百ものゴミ箱の表示を見直し、ファンがゴミをどこに捨てるべきかを分かるようにしました。明確で標準化された目印が重要だと考えます」とペプシコのグローバルウォーター・環境ソリューション担当副社長、ロベルタ・バルビエリ氏は語った。

「私たちは、リサイクルを更に促進するために、スタジアム内のゴミ箱を小さくしました。また、ゴミ箱の投入口を、ファンがゴミを適切な箱に捨て易いように再設計しました。このようなシンプルな変更は大きな変化を生むものです」

ペプシコは、リサイクルを促すゴミ箱の調達に加えて、試合日に200人近くの学生を「リサイクル大使」として雇用し、ファンがボトルや缶を正しいゴミ箱に入れ、食料廃棄やアラマークの生分解性のピーナッツの包装袋等は堆肥化をするように呼びかける。

捨てられたハンドバッグ、看板、建材などの廃棄物は、地元の組織を通じて再利用される予定だ。

「NFLは、私たちの展開するビジネスのすべての分野においての環境問題に関する責任者です」と、NFL委員長のロジャー・グッデル氏は語った。「NFLは25年間、イベントの環境への影響を減らし、開催地コミュニティに環境に優しいレガシーを残すよう努めてきました。このプロジェクトを通して、リーグとパートナーは、スーパーボウルにおけるサステナビリティの新しい基準を設定することができると信じています」。

第43回スーパーボウル MVPであるピッツバーグ・スティーラーズの伝説的存在であるハインズ・ウォード氏と連携したソーシャル・メディア・キャンペーンを通じて、全国のファンをRush2Recycle運動に巻き込み、年間を通してリサイクル運動を促進させようとしている。

このキャンペーンでは、複数の短い動画を通じて、ハインズ氏が正しいリサイクルの方法と、その楽しみ方を人々に伝えている。ハインズ氏はリサイクルのコツやリサイクルの情報だけでなく、オリジナルのリサイクル・エンドゾーン・ダンスやRush2Recycleシャッフルダンスを披露する予定だ。

ペプシコのインドラ・ヌーイ会長兼CEOは、「ペプシコでは、よりサステナブルな包装材の開発と材料のリサイクルが、企業としても社会としても、長期的な成功を維持する鍵となることを認識しています」と語った。

「この画期的な取り組みに参加できることを大変わくわくしています。スーパーボウルはアメリカのスポーツ界において最も大きな舞台です。NFL、アラマーク、USバンク・スタジアムと協力して、リサイクルと廃棄物削減の重要性を強調していきたいと考えています」

Rush2Recycleプログラムは、スポーツイベント界のサステナビリティリーダーになるためのNFLにとっては論理的なステップであろう。 1994年、アトランタで開催された第28回スーパーボウルで、NFLはアメリカで最初のスタジアム全体でのリサイクルプロジェクトを展開した。

今年、このプログラムはミネソタ州第52回スーパーボウルホスト委員会の協力の上、スーパーボウル活動の環境への影響を減らし、地域全体にレガシーを残す一連の取り組みを打ち出した。 NFLの環境プログラムを通じて、スーパーボウルのイベントからの固形廃棄物がリサイクルされ、装飾品や建設資材は再利用のために地元の団体に寄付される。

スーパーボウルのイベントに用意された多くの未開封の食品は地元の避難所やコミュニティのキッチンに配られる予定だ。また、USバンク・スタジアムと他のいくつかの主要なNFLスーパーボウルのイベント会場は、気候への影響を減らすために、再生可能エネルギーと低炭素エネルギーを使用する予定だ。

NFLのSVOであるアンナ・アイザックソンは、第52回スーパーボウルのゴミゼロ・イニシアチブはほんの始まりに過ぎないとサステナブル・ブランドに語った。NFLは今年の廃棄物管理の取り組みを将来の他のイベントでも再現しようとしている。

「ホストコミュニティに永続的かつポジィティブなレガシーを残すことは、常にNFLの目標です。 今年のゴミゼロ・プロジェクトも例外ではありません。 このイニシアチブの最も印象的な部分は、この取り組みが今後USバンク・スタジアムにおいて永続的に機能することです。 私たちはこれが将来、他のリーグやスポーツイベントのお手本として役立つことを願っています。 イベントを改善する最善の方法は、経験から学び、各市場の専門家やステークホルダーと相談を重ね、各ホストコミュニティで実現可能かつ達成可能なことを判断することです。 私たちのプロジェクトは、プロボウル、ドラフト、コンバイン、そして今後のスーパーボウルなど、他の大会のイベントでも役に立つと信じています」とアイザックソン氏は語った。


※この記事は、2018年1月25日に掲載された米サステナブル・ブランドの記事を翻訳したものです