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米カインド社が共感と親切心を広めるキャンペーン

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米国サステナブル・ブランド編集部
Image Credit: KIND/Instagram

「より優しく、健康な世界を創造する」という目標の達成に向けて、カインド社は「アメリカ全土にある多くの問題を解決するためには何が必要か」と問いかける動画を用いたキャンペーンを促進している。動画は「優しさ」と「親切」の差異について言及し、模索している。私たちは普段、この二つの言葉の違いを気に留めることはあまりない。しかし「優しさ」と「親切」は私たちのコミュニケーションに大きな影響を与えている。(翻訳:梅原 洋陽)

カインド社の代表取締役のダニエル・ルベツキー氏は、「この国が歴史的な亀裂によって分断されていることに対し、私たちは胸を痛めています」と語った。「何年もの間、カインド社は自分の安全地帯を超えて他人に親切にすること、特に自分に対して意義を唱える人に対して親切にすることの難しさを感じてきました。誤解や不寛容が蔓延する世界では、これまで以上に努力が必要とされています」

優しさや親切心を社会の中で浸透させるために、カインド社は以下のようなテーマに焦点を当てた動画シリーズをリリースした。

・優しさは礼儀正しいが、私たちが四六時中しなければならないものではない。親切は公平で、揺るぎないものである。
・優しさは受動的になり得ることもある。親切は行動と勇気が必要とされる。
・優しさは問題を付け足すことはない。親切は問題を解決する。
・優しさはあなたが発する言葉で、親切はあなたが起こす行動である。
・優しさは誰かをいじめることはしない。親切はいじめを止めるために立ち上がることである。

このシリーズの最新動画「More Than Nice」は「バードマン」や「ゼロ・グラビティ」「レヴェナント: 蘇えりし者」などを手がけたエマニュエル・ルベツキと副監督のクリス・ウィルチャによって制作された。この作品は、米国とメキシコの国境沿いで水供給のボランティアをする人々を見た、ルベツキの「親切」に対する視点で描かれている。

人道支援グループの目的は移民の苦しみと死を阻止することだ。ルベツキ氏はユダヤ系メキシコ人のルーツを持ち、現在はアメリカ人として人々を繋ぎ、より多くの人々に理解を広めコミュニティを強めていくことに尽力している。この問題は他人事ではない。

「ボランティアの皆さんの勇気だけでなく、共感する心に、私は大変感銘を受けました。一度も会ったことがない人々の福祉を守るために、自分の安全地帯を超えて活動しているのです。優しさには犠牲は伴いませんが、親切な行いをするためには犠牲を伴います。この動画では、昨今発生している分断問題において、人間的な要素が政治を超越するということ、そして人間のもろさと精神の強さを描きました」

火傷を負った子供達のために、退役軍人や消防士が余暇を費やすといった動画も含まれるこのシリーズは、優しさと親切を様々な角度から紹介している。そして、全てのストーリーに共通の、確固とした信念が核心にある。

このキャンペーンをさらに促進するために、カインド社は人々に「優しさ」と「親切」の違いについての意見を募集している。形式はエッセイや写真、そして動画での投稿だ。起業家、語り部、ジャーナリストや活動家たちによる審査グループによって、3つの優秀作品が選ばれる予定だ。

受賞者は2万5千ドルの賞金を獲得し、自分の好きなチャリティーに寄付することができる。その他に、現金での賞金や次の作品を作成するための映像機材や写真機器が贈られる。

この動画シリーズは、人々を繋ぎ、共感の輪を広げるためのプロジェクトが基盤となっている。4月には同社がPop Your Bubbleという、様々なフェイスブックユーザーを繋げ、より多くの人が安全地帯を超えて新たな考え方に触れることができるようになるツールをリリースした。このツールのリリース数週間後には、約6万のコネクションが成立した。

さらに10月にはEmpaticoというオンライン学習ツールをリリースした。これは、学生がコミュニケーションやリーダーシップのスキルを実行・習得できるようになるためのツールである。2020年の終わりまでには、25カ国を超える100万人のユーザーを獲得し、あらゆる場所にいる子ども達が繋がりを持てるようにすることを目指す。