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ESGからSDGsへ 変わるサステナビリティ報告書

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Marvin Smith(Future 500)

昨今、投資家は企業に対し、サステナビリティ・レポートの明確な開示を求めるようになっている。低炭素が求められる世界において、企業活動が気候に与える影響や、長期的な業績の展望などに重きを置いた情報が、標準的なレポート内容となっている。(翻訳:クローディアー真理)

サステナビリティ・レポートは一般的に、いかに企業が環境に与える影響を抑えているかで企業活動を測る、ESG(環境・社会・企業統治)の視点から作成されてきた。しかし、多くのステークホルダーは、レポートに対し、より良い社会にするために、企業が実際どのような貢献をしているかを記した報告を求めている。その結果、企業によっては、国連によるSDGs(持続可能な開発目標)があればこそ、目に見える形での社会貢献を行うよう努めることができると考えるところが出てきている。

米国の資産運用会社であるファースト・アファーマティブ・ファイナンシャル・ネットワーク(コロラド州コロラドスプリングス)の、スティーブ・シュース社長兼最高マーケティング責任者は、社会的責任投資分野のリーダーとして、長年にわたり、企業投資家のサステナビリティについての対話がどのように進展してきたかを見守ってきた。

シュース社長兼最高マーケティング責任者によると、企業や投資機関、投資家が共通して積極的に受け入れるものは、ESGからSDGsに移行しつつあるという。

過去の約半年間の、世界の大手企業のサステナビリティ・レポートを見れば、それは明白だ。ESGというよりSDGsへの取り組みの進捗状況が報告されており、SDGsの17目標すべてでなくても、各企業は自社に合い、実行しやすいものを選んで、それに向かって活動を進めているのが確認できる。投資家にとって理解しやすいレポートは、SDGsの目標達成を目指し、企業がどのような活動を積極的に行っているかを記したものなのだ。

米国に関して言えば、歴代政権が責任ある投資を行うよう奨励してきた例はなく、それは民間に任される傾向にある。環境や倫理に関心が高い投資家は、サステナブルな経営を行う企業を投資先として求めている。投資家に代わり、巨額の投資を行う資産運用担当者やアナリスト自身も、ESGとSDGsの双方への取り組みを高く評価しているため、企業にSDGsで定義される社会的責任を負うよう促している。

投資家は、企業による、よりサステナビリティを追求するための新しい試みを常に求めている。他社とは違うことを試み、競争相手に打ち勝とうという企業の意欲が、ESGからSDGsへの移行を進める原動力となっている。