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ウーバーやBMWなど、欧州でEVへの切り替え加速

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米国サステナブル・ブランド編集部
Image Credit: Jaguar Land Rover

2017年に入ってわずか5日で年間の許容限度を超過するという深刻な大気汚染を経験したロンドン。この事態を受け、英国では官民ともに排気ガス規制に本腰を入れている。(翻訳・編集=クローディアー真理)

世界規模で配車プラットフォームを運営するウーバーは、英国で「クリーンエア・プラン」と「クリーンエア・ファンド」の2つの排気ガス対策事業を導入すると発表した。

現在、ウーバーXとして走る自家用車両の全走行距離の半分以上がエコカーで、「クリーンエア・プラン」を実施し、さらに増やす予定だ。ロンドン市内では2019年、国内では2022年までに、ウーバーXの全車両をハイブリッド車(HV)か電気自動車(EV)に切り替える。そしてロンドン市内で同社のアプリケーションを通してサービスを行う車両すべてを、2025年までにEVにすることを目指す。

「クリーンエア・ファンド」は、登録運転手が使用車両をHV、EVに乗り換える際に利用できる補助金だ。1人あたり5000ポンド(約75万円)、計200万ポンド(約3億円)が用意されている。さらに相乗りサービス「ウーバープール」を除く配車サービスに35ペンス(約53円)を均一に加算し、同ファンドを支える。

ウーバーは独自のスクラップインセンティブも10月から開始。欧州の排気ガス規制、「ユーロ4」に対応していない車の所有者が対象で、車を廃車にすると、ウーバーかウーバープールで使用できる、最高1500ポンド(約23万円)分のクレジットを1000人に提供する方針だ。

欧州自動車メーカーの動向

一方で、自動車メーカー大手、ジャガーランドローバーやBMWは2019年いっぱいで内燃機関で動く自動車の生産を中止する。これは、英国、パリ、メキシコシティ、マドリッド、アテネが2025年までにディーゼル車の乗り入れを禁止する動きを受けたものと見られる。

ジャガーランドローバーが、2020年以降販売するのはEVとHVのみ。消費者は、EV、プラグインHV、マイルドHVから選ぶことになる。

同社は、ロンドンで行われた「テク・フェスト2017」で、自動運転車や、音声作動する人工知能を備えたステアリングホイール、「セイヤー」などのコネクテッドモビリティ・イノベーションを初公開している。
BMWも2020年までにはEVの量産を開始、2025年までには全12車種が揃う。これらの航続距離は700キロに達する予定だ。ロールス・ロイス、BMW Mモデルも電動化の対象となる。

自動車関連産業界が大きな一歩を踏み出しているが、一方で課題もある。EU離脱で生じる新たな貿易上の手続きが障害となる可能性があるのだ。コスト面での課題も残る。従来の内燃エンジンと、EV駆動システムは製造方法が異なり、コスト減には設備投資が必要となる。