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米カフェチェーンが始めた糖分の過剰摂取対策

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米国サステナブル・ブランド編集部

糖分の過剰摂取は近年、食品業界で注目されている課題だ。2016年10月には、世界保健機関(WHO)が生活習慣病の防止のために糖分が含まれる飲料などに課税する案を報告書で発表している。そんな中、米ベーカリー・カフェ・チェーンのパネラ・ブレッドは8月23日、消費者に糖分に関する情報をより分かりやすく伝えるために、糖分やカロリーの量をカップに直接表記する新たな方針を発表した。(翻訳・編集:梅原 洋陽)

糖分の摂取に関しては、最近、フルーツバーなど栄養機能食品を販売する米カインド・ヘルシー・スナックスも、新商品「フルーツバイツ」のキャンペーンで、子どもたちが1年間に消費する砂糖の量が47億パウンド(213万トン)に及ぶことに警鐘を鳴らすため、4万5000ポンド(約2万キロ)の角砂糖の山をニューヨークのタイムズ・スクエアに展示するなどしている。

パネラ・ブレッドの調査で、99%のアメリカ人は20オンス(約590ml)のコーラに含まれる糖分量を知らず、83%の人は含まれる糖分量を少なく見積もっていることが分かった。パネラ・ブレッドが開始した糖分の成分表示の取り組みでは、6つの新商品とコーラのカロリー摂取量と糖分の摂取量をカップに印字している。

「法規制よりも先に、企業が率先して透明性を促すべきです。今年の初めに、私たちはカロリーと糖分の量を飲み物を注ぐ際に公表する全米で初めての企業となったものの、さらなる取り組みをするべきだとすぐに気がつきました。情報量と選択肢を増やしたことで、お客さまは従来のソフトドリンクと比べ、より透明性の高い私たちの商品を頼むようになってきています」とパネラ・ブレッドの創業者でありCEOのロン・シェイク氏は語る。

パネラ・ブレッドは今年3月から、より健康的な選択肢と消費者への透明性を追求する段階的な取り組みを開始した。飲料に含まれる糖分量とカロリー量を店内の看板に表記するというものである。

新製品と店内看板を導入したことで、従来のソフトドリンクに比べ、より糖分の量が少ない飲料を選択する人が8%増えたという。

今回始まった糖分の成分表示の取り組みは、消費者がより詳細な情報を得た上で選択できるようにするための試みだ。このカップは現在8つの店舗で導入されている。今後、人口甘味料や保存料、着色料が入っていない透明性100%の商品と共に全国展開していく。

「従来のソフトドリンクの糖分量よりも問題なのは、お客さまが砂糖の含有量を認識していないことです。お客様には情報を知った上で商品を選択してほしいと考えています。お客さまには飲み物によっては20オンスに小さじ17杯分の糖分が入っている、ということを知る権利があります。これはUSDA(農務省)の定める1日分の糖分摂取量を超えています。より多くの情報と選択肢を提供していきたいです」とパネラ・ブレッドの健康担当部長のサラ・バーネットは語った。

「消費者に分かりやすく飲料の砂糖の含有量を伝えるパネラの手法は良い試みです。食品医薬品局(FDA)は糖分量をほとんどのアメリカ人には馴染みのないグラムで表記することを求めています。しかし、パネラは誰もが理解できる『小さじ』で糖分の量を公表しています。このような取り組みにより、パネラは国内で最も責任あるコーヒーチェーンと言う評判を得ています」と公益科学センターの共同設立者であり代表のマイケル・ジェイコブソン博士は話した。