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強制労働根絶には、業界内協力が必要――CGF報告書

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米国サステナブル・ブランド編集部

小売業や製造業、サービス業400社が加盟する国際的な業界ネットワーク、コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)は6月、加盟12社が取り組むサプライチェーンにおける強制労働の排除策をまとめた報告書「ビジネス・アクションズ・アゲンスト・フォースト・レイバー」を発表した。強制労働は、世界中で2,100万人が犠牲になっている社会問題だ。問題解決のための新規プログラムの立ち上げ方、セクターの枠を越えた協働の方法、監査スキームの効果的実施法など、12社の個々の事例が挙げられている。(翻訳:クローディア真理)

その内の1社、小売・卸売大手、メトロ・グループ(本社・ドイツ デュッセルドルフ)のオラフ・コッホ会長は、「強制労働は複雑で根深い問題。長期的な解決策には、業界全体の協力と知識の共有が欠かせない」と述べている。各社とも、問題解決に特に有効な手立てとして、問題を発見・認識するための訓練、他社との協力、サプライチェーンでのトレーサビリティー確保の方法の確立、苦情処理メカニズムの充実を挙げている。

今回の報告書は、CGFが強制労働の根絶に向けて、今まで取り組んできたイニシアチブが土台となっている。業界初の強制労働根絶へのコミットメントや、サプライチェーンにおいて強制労働に結びつく可能性のある雇用行為を取り除くための指針、「プライオリティ・インダストリー・プリンシプル」の策定などがそれだ。今年計画されているCGFの活動のひとつは、同指針に則り、加盟企業が個々に対策を講じることだ。まずは東南アジアにおけるパーム油産業、漁業を対象とする。

CGFは、各種報告書の取りまとめや、さまざまな活動の企画・開催を通じて、官民の組織関係者に働きかけ、強制労働をなくす目標に向かい進んできた。今後も、セクター間の協力を促し、各社に集団として活動を続けてもらうための機会を提供し、目標達成を目指すことにしている。

同報告書に取り上げられた企業は、マークス&スペンサー、ネスレ、ザ・コカコーラカンパニー、ケロッグ、ウォルト・ディズニー・カンパニー、ユニリーバ、コルゲート・パーモリーブ、メトロ・グループ、マース(本社・米バージニア州マクリーン)、ミグロス(本社・スイス チューリヒ)、テスコ(本社・英国 ハートフォードシャー)、ウォルマート(本社・米国アーカンソー州ベントンビル)となっている。