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英食品飲料業界、2025年サステナビリティ目標を掲げる

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米国サステナブル・ブランド編集部

サステナブルなバリューチェーンの構築を目指すと題した「アンビション2025」


イギリスの食品飲料連盟(FDF)に加盟する多くの企業が新たなサステナビリティ目標を掲げた。同連盟にはコカ・コーラやネスレ、ペプシコ、キャドバリーなどが名を連ねる。公開されたばかりの「アンビション2025」では、2007年に設定した「5つの環境目標」を基に、気候変動や食品廃棄、輸送などサプライチェーン上の課題解決を目標としてあげている。さらに加盟企業の成功事例なども紹介されている。

「2007年に『5つの環境目標』を掲げた当時は、本当に画期的な試みだった。現在までにCO2の排出や水リスクにおいては大きな進歩があった。次に何ができるのか考えている。業界の垣根を越え、多くの企業と協力していく」とFDFのヘレン・マンデイ・CSOは話す。

FDFが新たに掲げた目標とは

気候変動 
2025年までにCO2の排出量を1990年時と比べて55%削減する。

食品廃棄
2016年から食品廃棄をゼロに挑む。農場から口に入るまでのサプライチェーン全体における食品廃棄を削減する。

包装資材
使用済み包装資材から生じる負荷を最小限にし、包装資材技術の刷新に力を入れ、全体的な製品のサステナビリティに努める。

水資源
サプライチェーン全体において水の使用方法を継続的に改善する。サステナブルな水資源管理を確実に実行していく。業界全体の目標として、使用する水の量を2020年には2007年比の20%削減する。

輸送
自社の輸送業務ならびに運送業者のCO2排出量と大気への環境負荷を削減していく。輸送業務を通して、フードマイレージ(生産地から消費地までの距離)を下げ、より緊密なものにしていく。

サプライチェーン
サステナビリティ基準と取り組みについての認識と理解を広げる。

自然資本
加盟企業間で自然資本への関心を高めていき、利益を増やし、自然資本に配慮した意思決定を行えるようにしていく。

「5つの環境目標」を掲げ、英の国家目標に沿って、FDFの加盟企業はすでにCO2排出量を44%削減させている。その他にも、水の使用量は30.1%の削減、輸送時の排出量は6.8%、包装資材のCO2排出量は3.9%削減、サプライチェーンの廃棄量も3.2%の削減を達成した。

新たな一歩を踏み出すFDF

食品廃棄は最近イギリスで特に関心を集めており、サプライチェーンに関するイニシアティブが増えてきている。今年はじめ、廃棄物の削減に取り組むサステナブルで資源効率を考えた経済の実現を目指す団体・WRAP(英・オックスフォードシャー)は、食品廃棄を減らすよう積極的に努めることで年間3億ポンドの経費削減が可能になると発表した。FDFの加盟企業の中には、政府のSDGs方針に則った自主協定の下で食品廃棄を減らす責任を負っている企業もある。

マッケイン・フーズの地域統括責任者でFDFのサステナビリティ運営グループリーダーでもあるニック・バーモント氏は、「食品飲料業界にとって『アンビション2025』は、未来を見据えたサステナブルな供給システムを実現するための長い挑戦の新しい一歩だ。さらなる資源効率化とサステナビリティの課題を追求し、これからも変わることなく指導的役割を担っていく試みなのだ」と話した。