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国際

企業の気候変動情報開示に56%の投資家が不満足

私たちの将来は、気候変動を巡る企業の情報公開にかかっているといっても過言ではない “Money” by Pictures of Money used under CC BY 2.0

HSBC(香港上海銀行)はこのほど、気候変動を巡る企業の情報公開と投資意欲についての調査結果を発表した。各国の投資家の68%が「グリーン投資」の増加に肯定的である一方、企業が開示する情報のレベルや正確さ、即時性を極めて不十分と感じている投資家は56%に上った。投資家が企業に自然エネルギーへの移行を求める一方で、企業がそれに応えきれていない実態が浮き彫りになった。(クローディアー真理)

今回の調査は、欧州、南北米、アジア、中東エリアの、最高投資責任者など計497人と、企業の最高財務責任者など計507人に対して行われた。

気候変動緩和事業への投資を増やしたいとする投資家は全体で68%。最も顕著な傾向を見せたのは欧州で97%、南北米(85%)、アジア(68%)、中東(19%)と続いた。中東は唯一、前年比でこの割合が減少しているエリアとなった。

低炭素経済への移行に、投資が極めてもしくは大変重要な役割を担うと、ほぼすべての投資家が考える一方、79%が投資にあたって障壁があると感じている。特に壁になっているのは企業の情報開示で、56%が極めて不十分と指摘している。

政府、企業、金融制度、市民すべてが、気候変動への対処に重要な役割を担っているBy w:Green Economy Coalition www.greeneconomycoalition.org used under CC BY 3.0

他方で、企業の53%が、企業活動が環境に与える影響を緩和するための対策を講じているとしているが、それを積極的に公表しているのは43%に留まっている。理由の1つは情報開示が競争優位に通じているかが不明瞭であるため。今のところ情報開示の原動力は、投資家からの圧力(83%)、国際規制(77%)に頼っている。

HSBCのダニエル・クライアー ストラテジー部門グループ責任者兼サステナブルファイナンス部門全体責任者は、企業によっては前向きに情報開示をしているところもあるとしながらも、「気候変動緩和事業への投資を進めるには、投資家が比較検討できるような正確な情報を、各社が提示しなくてはならない」としている。

クローディアー真理

ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。