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ニュージーランド

NZスーパー大手が微粒子「マイクロビーズ」製品撤去

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国際環境NGOグリーンピースによれば、スクラブ製品1回の使用で10万個ものマイクロビーズが海に流れ込むという© “Microplastic” by Oregon State University used under CC BY-SA2.0


ニュージーランドのスーパー大手フードスタッフ(本社・ウェリントン)はこのほど、洗剤や歯磨き粉などに使われる「マイクロビーズ」を含む製品の取り扱い禁止を発表し、店頭から当該製品を撤去した。マイクロビーズは角質除去や洗浄の目的でスクラブ剤として使われるが、環境、特に海洋汚染源として国際的に問題視されている。同国では2018年に法規制が始まるが、同社は1年先駆けた。(クローディアー真理)

マイクロビーズを含む製品の撤去が行われたのは、フードスタッフが抱える3つの大型スーパーマーケットチェーン。この決定にあたり、同社と昨年から話し合いを進めてきたサプライヤーの多くは、商品の原材料を自然素材に切り替えるなど、協力的だったという。最終的に、方針にそぐわない製品が取り除かれた。

政府は、パーソナルケア製品へのマイクロビーズ使用を禁止する法の導入を来年7月1日に予定しているが、同社は環境への影響を憂慮し、極力早く改変を行いたいという意向を持っていた。マイクロビーズは主にポリエチレン製で、スクラブ剤に用いられるのは1ミリ以下のサイズ。下水管から下水処理施設のフィルターなどを通り抜け、海などに達する。その過程で、毒素などを吸収したマイクロビーズは、魚などの海洋生物、海鳥の体内に取り込まれ、害を及ぼす。

クリス・クィン氏 © Foodstuffs New Zealand

同社ニュージーランド北島最高経営責任者のクリス・クィン氏は、「運営上、環境への影響を最低限に抑えることは最優先事項であり、今回の決定は正しいと確信している」と述べている。

スーパーマーケットの1つ、ニューワールドでは10日から、オーガニックスキンケア商品メーカーのエッサーノの協力のもと、「マイクロビーズ・アムネスティ」が行われている。手持ちのマイクロビーズを含む製品を持ち込めば、使用途中であっても、どのブランドであっても、マイクロビーズの代用となる自然素材を使用した、エッサーノのフェイスウォッシュと交換してくれる。

クローディアー真理

ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。