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  • 公開日:2017.06.30
  • 最終更新日: 2025.03.21
エミレーツ航空、水を使わない機体洗浄法で環境配慮
    • クローディアー真理

    水を必要としないため、洗浄と平行して、機体のほかの部分のメンテナンス作業も同時に行うことができる © Emirates

    エミレーツ航空(本社・アラブ首長国連邦ドバイ)は6月4日、環境に配慮した、航空機の機体洗浄法を、ドバイ国際空港でお披露目した。同社で取り入れているのは、「エアクラフト・ドライウォッシュ」と呼ばれる方法で、洗浄に水はほとんど必要なく、水資源の節約になる。機体に汚れが蓄積された状態で飛行すると、燃料効率が悪くなるが、同法をとると、長期にわたって汚れがつきにくくなり、燃料を効率よく使うことができる。(クローディアー真理)

    「エアクラフト・ドライウォッシュ」での洗浄が行われているのは、エミレーツ航空が所有する約260機の航空機だ。用いられている重質洗剤は粘り気のある水溶性で、機体表面に付いた油脂や汚れを溶かし、取り除く。洗剤は、スタッフが手作業で塗布し、マイクロファイバー製の布でふき取る。乾燥後にできる皮膜は長期間にわたり、表面を守り、光沢を保つ。一機に対し、年に3回、各回15人が約9~12時間をかけて作業にあたる。

    一方、従来法である高水圧洗浄は1機につき、通常、年に4、5回行われ、毎回約1万リットルの水を要する。「エアクラフト・ドライウォッシュ」を取り入れることで、同社は年に1100万リットルの水を節約しているという。

    アーメッド・サファ エンジニアリング・サポート・サービス担当上級副社長は、「この方式を取り入れる最大の理由は、限られた資源である水を使わずに済むためだ。当社が行う、環境に与える負荷を抑える努力のひとつ」と述べている。

    航空機エンジンも画期的な洗浄法を使ってメンテナンスし、CO2排出量を年に200トン減しているほか、プラスチックボトルをリサイクルした素材でできたブランケットを採用するなど、ほかにも数々の取り組みが行われている。

    written by

    クローディアー真理

    ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。

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