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フランス

アコーホテルズ、サステナブル施策で食品廃棄を6割減

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タイにある系列ホテル、ノボテルバンコクプルンチットスクンビットの屋上に設けられたハイドロポニックのファーム
  • 500カ所の菜園開設とCO2排出量3%減

世界中90か国以上で3,500軒以上のホテルを展開するアコーホテルズ(本社・パリ)が、サステナビリティ推進プログラムに着手して1年が経過した。特に「フード&ドリンク」と「エネルギー効率の改善」の2分野に注力した。前者の取り組みでは、500カ所以上の菜園を開設し、この1年で食品廃棄物を6割減らした。後者では、グループ全体のエネルギー消費を2.4%、CO2排出量を3%削減できたという。
現在進められているのは2011年から始まったサステナビリティ推進プログラム「プラネット21」の第2段階。同社のサステナビリティ部門責任者・アーノード・ハーマン氏は「第2段階初年は、テクノロジーを取り入れ、試しながら学ぶ『テスト・アンド・ラーン』に尽力した1年だった」と振り返る。

インドの系列ホテル、ノボテルハイデラバードエアポートにある菜園。採れたての野菜がホテル内のレストランで使われる
  • 1000食以上の余剰食を再分配

「フード&ドリンク」分野では、パリ市内にあるホテルの菜園にアーバン・ファーミングの技術を導入した。具体的には、栄養分を含んだ液体の中で野菜を栽培するハイドロポニックス(水耕栽培)や、液体肥料を噴霧して空中で野菜を栽培するエアロポニックス(気耕栽培)を始めた。
同市内の系列ホテル20軒では、「トゥー・グッド・トゥー・ゴー(Too Good To Go)」アプリケーションを通し、数カ月間に1,000食以上の余剰食を再分配。ドバイにある系列ホテルでは、外食産業における食品ロスを減らすためのシステム「ウィノウ(Winnow)」を採用し、食品廃棄量を月に80%削減、週当たり400USドル(約4万5千円)のコスト減に成功している。

エッフェル塔からすぐのところにある、系列のプルマンパリトゥールエッフェル内に作られた菜園


「エネルギー効率の改善」分野においては、合理化を図るために、水とエネルギーの消費を測定・分析する機器を、パリ市内24軒のホテルに取り付けている。アコーホテルズは、今後、世界各国で経営するホテルに、こうしたテクノロジーの使用を拡大し、目標の早期達成を目指すとしている。

クローディアー真理

ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。