• 公開日:2017.04.03
パリでCSRとサステナビリティのフェア、2日で5200人
    • 羽生 のり子

    CSRとサステナビリティのビジネスフェア「プロデュラーブル」の会場の様子

    パリで3月14-15日、CSRとサステナビリティのビジネスフェア第10回「プロデュラーブル」が開催され、2日間で5200人が集まった。出展者も入場者も企業関係者に限定しているが、今年の入場者は昨年の3割増になった。講演会、ワークショップはどれも満席の盛況だった。創始者の女性は「10年前はやっとサステナビリティという言葉が知られてきたころ。入場者の関心は年々高くなっている」と語った。(羽生 のり子)

    サステナビリティに相当するフランス語は「デブロップマン・デュラーブル(持続的発展」だ。フェアの名称は「プロフェッショナル」と「デュラーブル(持続的)」を合わせた造語だ。創始者のセシル・コロナ・ディストラ氏は、「イベント企画会社に15年勤務した経験をもとに、サステナビリティに関心があったので、思い切ってこのテーマに絞ったフェアを始めた」と話す。

    毎年テーマがあり、今年は「自然」を中心テーマに6つの講演会と40のワークショップ・討論会が開かれた。2日目の講演会では、ネスプレッソのサステナビリティ部長、LVMHの環境部長など5人の講演者が、製造の際の素材の選択から製品の最終処分まで、生物の多様性の尊重をどう取り入れて行っているかを披露した。

    最終日は、第一回目のプロデュラーブルに出展した企業や長年CSRに取り組んできた企業がこの10年を振り返り、未来の展望を語る講演会「CSRの10年」で締めくくられた。建設業や通信サービス行の総合グループ「ブイグ」、LVMNなどの大企業のほか、2008年から二酸化炭素削減に取り組んでいるサステナブルな広報会社の草分け、「シディエズ」などが参加した。

    シディエズは、ロレアル、ゲラン、ネスレなどの企業ほか、昨年末日本で公開された仏映画「Tomorrow パーマネントライフを探して」で紹介された市民運動「コリブリ」の広報も担当している。「入場者には学ぶために来る人が多い」とコロナ・ディストラ氏が証言したように、どの会場も満員で、立ち見が出るワークショップもあった。

    128の出展のほとんどが中小企業で、大企業は郵便・運送・銀行業務の「ラ・ポストグループ」、エプソン、フランス農業組合などだ。認証団体「エコサート」の環境部門も出展していた。コンサルタント会社、企業用分別ごみ回収の会社、企業向けの研修も行うビジネススクールも目立った。

    written by

    羽生 のり子(はにゅう・のりこ)

    環境、エコロジー、農業、食物、健康、美術、文化遺産を主な分野とするジャーナリスト。1991年からフランス在住。環境ジャーナリスト協会、自然とエコロジーのジャーナリスト・作家協会、文化遺産ジャーナリスト協会(いずれもフランス)の会員。共著「世界の田園回帰」(2017年、農文協)。

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