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セブン&アイとコカ・コーラ、完全循環型ペットボトル実現

日本コカ・コーラ社長のホルヘ・ガルドゥニョ氏(左)とセブン&アイ社長の井坂隆一氏

セブン&アイと日本コカ・コーラは5日、再生PET樹脂を100%用いた「完全循環型ペットボトル」を利用する共同企画商品の販売を発表した。セブン&アイで回収したペットボトルを100%原材料とし、完全循環型のペットボトルとして同流通グループで実用化、販売する。特定の流通グループにおける完全循環型ペットボトルの取り組みは世界で初めてという。井坂隆一・セブン&アイ社長は「プラスチック問題への取り組みは単なる商品の差別化ではない」と話す。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本 啓一)

ステークホルダーの連携により実現した完全循環型ペットボトル
使用済みペットは洗浄などの工程の後、フレーク、レジン、プリフォームの順に姿を変え、元のペットボトルに成型される

今回、完全循環型のペットボトルで販売されるのはセブン&アイと日本コカ・コーラの共同企画商品「一(はじめ)緑茶 一日一本」。10日から全国のセブン&アイグループの約21400店舗で順次発売する。

セブン&アイの店舗には全国で759台の回収機を設置している。消費者がこの回収機に使用済みペットボトルを投入すると、回収機内で圧縮。リサイクラー(リサイクル事業者) へ運搬され、洗浄や選別、破砕といった多くの工程を経て、ペット素材に生まれ変わる。さらにコカ・コーラの工場でペットボトルとして成型され、そのまま再び商品として出荷される仕組み。

店舗に設置されるペットボトル回収機

2018年度にセブン&アイグループの店舗で回収されたペットボトルの総量は8900トン、3億本。国内ペットボトル総販売数の約1%に相当するという。回収機に使用済みペットボトルを投入した消費者は延べ1870万人にのぼる。セブン&アイは今回の日本コカ・コーラとの取り組みだけでなく、日本財団や自治体とも連携し、ペットボトルリサイクルを促進している。同社社長の井坂隆一氏は「一社ではできない。消費者、自治体、メーカー、自社というリサイクルループが出来上がったから、実現した」と、各セクションの連携の重要性を強調し「年間1000台の回収機を店頭設置し、エリア拡大を目指す」と具体的な展望を示した。

日本コカ・コーラ社長のホルヘ・ガルドゥニョ氏は「ボトルtoボトルの実現は、全世界を見渡しても例がない。プラスチック問題を解決するためには、幅広いパートナーシップが不可欠だ」と話す。また米コカ・コーラが2018年に「ワールドビジョン」を掲げる一方で、セブン&アイは5月、環境宣言「GREEN CHALLNGE 2050」を発表している。それぞれの目標を一致させる一要因は、共通言語としてのSDGsだという。

井坂隆一・セブン&アイ社長は「(今回の完全循環型ペットボトルの実用化は)単なる差別化ではなく、プラ問題は社会全体が取り組むべき課題だと考えている。1アイテムからのスタートだが、消費者、自治体の参加を促進し、リサイクラーへの設備増強などを促す啓発活動も勇気をもって行いたい」と、今後の展開に力を込めた。

沖本 啓一(おきもと・けいいち)

Sustainable Brands Japan 編集局。フリーランスで活動後、持続可能性というテーマに出会い地に足を着ける。好きな食べ物は鯖の味噌煮。