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SDGsマッピングの次にくる潮流は? 識者が予測

SB2019Tokyo

セッション「SDGs:マッピングの一歩先」。左からファシリテーターの足立直樹氏、味の素の吉宮由真氏、リクルートホールディングスの瀬名波文野氏、SDGパートナーズの田瀬和夫氏。

「SDGs(持続可能な開発目標):マッピングの一歩先」と題したトークセッションがサステナブル・ブランド国際会議2019東京で開かれた。同セッションでは、マッピングの考え方やSDGsを経営戦略に落とし込む方法について話し合われた。(オルタナS編集長=池田 真隆)

このセッションに登壇したパネリストは、SDGパートナーズ代表取締役CEOの田瀬和夫氏、リクルートホールディングス執行役員の瀬名波文野氏、味の素常務執行役員の吉宮由真氏。ファシリテーターはレスポンスアビリティ代表取締役の足立直樹氏が務めた。

味の素では、社会課題の解決を通じて経済価値を生む取り組みをASV(Ajinomoto Group Shared Value)と称している。グループ全体で3万4千人いる従業員にASVを浸透させるために、まず各事業とASVの紐づけを行った。事業とASVを結びつけることで、ASVをベースとした説明をできるようにした。

さらに、経営者からのトップダウンだけでは浸透が難しいと考え、「ASV」を表彰するアワードをグループ全体で開いたり、ASVを理解してもらうセッションを各エリアで行ったりもしている。

一方、社会性の高い事業では、採算が取れないものも少なくない。同社では、事業としては成り立たないが、社会性が高い場合は廃止するのではなく、公益財団法人味の素ファンデーションに移行させている。

アフリカ・ガーナの乳幼児や栄養が足りていない子ども向けの製品や東北の被災者向けの料理教室などを移行させた。吉宮氏は、「行政は1企業と付き合うことには慎重になるが、財団になるとアクセスしやすい。大学からの協力も得られやすい」と話した。

SDGsは競争or共創戦略?

SDGsではスローガンに、「誰一人置き去りにしない」を掲げている。経営戦略とSDGsを統合した場合、競合他社との付き合い方はどうすべきなのか。資源は共有し合えるのか。

田瀬氏は、「SDGsを戦略に組み入れていくためには、持続的な成長が求められている。そのためには、ゼロサムではなくプラスサムで成長するしかない。経済学的には、経営者が腹落ちできるかにかかっている」と述べた。

SDGsと経営の統合の潮流が来ているが、マッピングの先の展開として、田瀬氏は「ESG投資だけでなく、採用にも効果がでるだろう」と予測した。ESG投資を行う機関投資家の目線と同じように、学生たちも企業を見るようになるはずだと説明した。

池田 真隆 (いけだ・まさたか)

株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナS編集長
1989年東京都生まれ。立教大学文学部文芸思想学科卒業。大学3年から「オルタナS」に特派員・インターンとして参画する。その後、編集長に就任し現在に至る。オルタナSの編集及び執筆、管理全般を担当。企業やNPOなどとの共同企画などを担当している。
「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。